秘密 season 0 原罪 (2巻) レビュー 5
これで最後になります。
感想とツッコミがメロディレビューよりマシマシになっております。
STORY
とうとうタジクを追い詰めた薪。
「沙羅もおまえもロシアの汚い連中と大差ない…自分だけが傷ついている顔をして痛い痛いと泣きながらも同じように平気で人を切り刻む」
「ただ自分だけが刺されて倒れる事を選ぶ青木の方が」
「おまえよりずっと強い…」
そして、青木はーー?

タジクはカザフスタンの養豚場に来ていた。
日本からの国際電話だといわれ、受話機を取るが……
電話の相手は薪だった。
薪は川谷寿明が4人の女性を殺害したこと自供した旨を伝える。
「ただ寿明にもわからないのは4人の死体のありかと変異型CJDの感染経路だ」
タジクが寿明らに感染し発病するように常習的に特定危険部位を混入させていたことを「未必の故意」として充分に殺人罪が適用される物だと言う薪だったがーー
「証拠の脳は?」
タジクは冷静に証拠が何もないことを指摘し
「あんたいつも遅いんだよ 何もかも…!!」
と言い捨てて電話を切ってしまう。
もう、薪が日本からここにたどり着く頃には、証拠は何も残っていない。
そう確信するタジク。
妹 アルマの墓参りに出かけるタジクだったが、墓地一体は放射性廃棄物の最終処分場になっており、立ち入ることができなくなっていた。
金網からアルマの墓を茫然と見やるタジク。
そこに背後から細い手が伸び、激しい音を立てる。
「人の身体は平気で豚に喰わせるくせに自分の妹の墓は骨になっても守りたいのか」
薪の姿に驚くタジク
「おまえが寿明のまわりにいる女性達も病気に感染する危険性を知りながら食事を作り続けたせいで、誰かのために日本で体を張って働き続けた彼女達は死にーー家族や知人に弔われまつられ別れを告げる機会まで失ってしまったーー」
「一体誰に何の権利があってーー?彼女達に何の咎があって?」
「沙羅もおまえもロシアの汚い連中と大差ない…」
「自分だけが傷ついている顔をして痛い痛いと泣きながらも同じように平気で人を切り刻む」
薪はさらにタジクに詰め寄る
「ただ自分だけが刺されて倒れる事を選ぶ青木の方が」
青木の姿を思い、涙をにじませる薪
どんなに辛い過去を背負っていても決して人前で傷ついた顔をみせない青木ーー
「おまえよりずっと強い…」

涙をみられたくない薪は顔を背ける。
電話は日本からじゃ…と問うタジクの手に手錠をかける。
薪はすでにカザフスタン警察に協力を仰ぎ養豚場の鑑識作業を行っていた。
「だからおまえが僕の電話に出る前からすでにーー」
手錠のもう一方を自らの手にかけ
「この勝負は決まってたんだ」
薪さーーん!!かっこいい!!
よかった!やっぱりやられっぱなしは薪さんらしくないです!!
そのドヤ顔が出てこその薪さん!
そして、「おまえよりずっと強い…」の薪さんきゃわわ。
も~~なんですか、その愛らしさ。
「殺人罪」は証拠がないから立件も起訴もできないはずだ。「死体遺棄罪」「死体損壊罪」で自分を捕らえるためだけにわざわざカザフスタン警察を動かし、飛行機を乗り換えてやってきたのは何故だと問うタジク
「わからないのかタジク」
「お前は僕を怒らせた」
「僕を」
何度も煮湯を飲まされたような今回の事件を思い出す薪。
傷ついて横たわる青木の姿をーー
「怒らせたんだ」
タジクは「死体遺棄罪」「死体損壊罪」で起訴が決定した
4人の女性に対する殺人罪は証拠がなく不起訴
寿明に対する殺人未遂のみが捜査続行となった。
「死体遺棄罪」「死体損壊罪」だけであんな大掛かりな捕物を………
絶対絶対、薪さん後で警視総監にめっちゃ怒られてると思う!!
岡部は青木が退院する日、薪に一緒にいかないかと声をかけようとする
岡部は薪が青木に返した手紙を持って帰ってしまっていた。
ひどく後悔する岡部。
「でもっ!!いくら薪さんでももらった手紙を差出人に突っ返すなんてひどいと思ったんすよ!ちゃんと返事をーー」
が、薪はすでに外出していたーー
岡部母さん!持って帰っちゃったの??えええーーー!!
ノミの心臓のくせに、大胆なことを!
しかも中は見てないんだ。岡部さんらしい。きっと何度も「ちょっと見ちゃおうかな…」という誘惑に打ち勝ってきたにちがいない
タジクは拘留所で弁護士と接見していた
タジクは同郷である沙羅に幼い頃からの恩義があり、沙羅に尽くす事だけが使命となったーー
沙羅の命令には逆らえなかった、という方向で裁判は進めるという弁護士だが、タジクは黙秘をつづけ何も喋ろうとしない。
人間を人とも思わない川谷寿明の所業に、寿明もまわりの女達も死んでも構わないと自らも鬼のような所業をしてきたことを思い返すタジク。
そーそー。
前にもちょこっと書いたのですが、いったいタジクはいつから川谷の食事に特定部位を混ぜ始めたんでしょうね?
「悪いソレ始末しといて まだ子供だってバレたらヤバいから」
っていう(これが吉川ヒナ?)彼女は、どうやら病気を発症したからじゃなくて乱暴によって亡くなったっぽくないですか?
そして体つきから14、5歳くらいにしかみえないんですけど………??
この彼女がきっかけで混ぜ始めたっぽいのですが、最初の死体処分にしては川谷があっけらかんすぎる気が……
でも、多分そうなんだろうな。
というか、この前にも何人かやってそうな感じがしちゃうんですけど………
そして沙羅!!
私が一番このお話でナゾなのは沙羅です。
30歳の時、4歳の娘を失う。26歳くらいで産んだんですよね?
旦那様はいないみたいなので、もしかすると夫も病気で??
彼女もタジクと同じ貧しい地区の出身で缶詰工場で働いていた。
タジクより3つ年上ですよね。
そしてタジクをかばって暴行を職員たちに日常的に受けて聴覚に障害が残った。
自らも癌を発症し、余命いくばくもないと知ってロシアのポトノフ外相を殺そうとするーー
↑これ何歳くらいに決意??
WHY??
たしかにポトノフ外相、ひどいですよ?
でも………
そしたら日本の政治家なんて半分くらいころされちゃう………
核実験自体は1949~89年
このお話は2065年。76年ほど前に実験は終了しているわけです。
後遺症で苦しむ、というのはもちろんあるのでしょうけど、ポトノフ外相はまだ産まれてないくらいの昔でしょう。
その後、いつ頃外相になったかはともかく……
『放射性廃棄物最終処分場にした』という恨みはわかります。
しかしそれも外相一人で決めることではなく、カザフスタン政府、ロシアの官僚などなど色々な責任者がいますよね??
なんで『ポトノフ外相コロス!!』になっちゃうんだろう……??
当時生まれてもいない人に恨みを募らせるのってなかなか出来ない気がするんですが……。
(だから7巻の淡路はわかるんですよ!千堂大臣を恨むのも!張本人だし。)
しかも、多分そのために、川谷に取り入って秘書になって(川谷がカザフスタンへの原発技術協力を手がけている議員だと調べて)ポトノフ外相と同席することがあるだろうということで……?
えらい気の長い……!
かなり計画的だと思うんですよ。一体何年かかってるのかわからないのですが。
暴力を振るわれても、殺人の片棒を担がされても??しかも、その割には不確実じゃない??
ただその時の責任者だった&暴言でこんなに強い恨みを持ち続けられるもの……??
川谷もナゾ。
どこの馬の骨ともわからない女性を秘書にする??衆議院議員、そんなにゆるい??
しかもどこから秘書に?寿明からっぽいんですけど、突然あんなアブナイ息子から紹介された女性を、いくら言葉が堪能だからって秘書にする??
そして、貧しかった沙羅はどこで語学を憶えたんでしょうか??
そーしーてー!タジクも!
沙羅のいうことには逆らえなかった、ということになっていますが、タジクならもっと効率の良い方法を考えられそうだし(^^;)
そしてそんな意味のないことはやめろと、どうして止められなかったのか。
今ならもっと有効な手段があるように思うんですけど………。殺す、という個人的な行為じゃなくても………。
一番納得できそうな流れとしては
30歳→リリヤちゃん亡くなる
↓
失意の中、仕事をもとめて日本に
↓
日本語を始め語学を学び、仕事に就き、帰化する(このあたりでタジクも日本に?)
↓
これから前を向いてやっていこうと思っていたところで、癌発症
↓
故郷がロシアの放射性廃棄物最終処分地になってしまう
↓
その担当者であったロシアのポトノフ外相に恨みを募らせる
↓
川谷に近づく
という感じなんでしょうかね??
語学はかなり堪能だから、カザフにいる頃から学んでいたのかもしれませんね。
(日本語、ロシア語、カザフスタン語でしょ?)
個人的な意見ですが、「これから前向きにやっていこう」と思っていたところで過去に引き戻されるのって本当にキツイので……。
その恨みが全てポトノフに向かった、という感じが一番納得がいきます。
それにしても、タジク止めろ………と思いますが。
だって、昔はとても優しかった沙羅が復讐のためにすっかり変わってしまって泣きたいくらい悲しかったんでしょう?
その復讐に手を貸すのが沙羅のためになるとは思えない……。
はい。
以上『原罪』についての激しいツッコミでした。
接見にきた薪はなにも届いてないかのような表情のタジクに『ある写真』を見せる
「アルマの墓のあるカイナールの丘だ」
ロシアは墓地を廃棄処分場から外す事に合意したのだ。
「食事会の一件はポトノフ外相にも何か変化をあたえたのかもしれない」
「だからこれは今のアルマの墓だ」
「お前達の故郷のカザフスタンの今の空だ」
その写真に、一筋の涙を流すタジク
「僕はまだお前の料理を食べていない タジク」
「一度も」
「ここから出たらつくりましょうか?」
タジクは人間らしい微笑みを見せた。
青木は退院し、福岡に帰ることとなった。
「行ちゃん おしたくできましたかー」と無邪気にじゃれる姪の舞。
その微笑ましい様子を見守る岡部だったが、姿を現さない薪を気にする

「いいんですよ。すみません 気を遣っていただいて」
青木は「薪さんがこーいうの苦手なのよく知ってます」と言い
「だから いいんです」
手紙の返事もーー
空港へ向かうタクシーを見送る岡部。
にこやかに手をふる青木一家に手を振り返しながら、あの日の薪のことを思い出していた
病室で声も出さず、唇を動かしていた薪。
あおき
なぜ気づかない
おまえが
お前が一番手のかかる家族だ
ただ眠る青木の手を握る、薪の姿をーー。
たっしゃでな!青木!何て言われたらおしまいって、やっぱ薪さんちょっと言葉遣い古……っ!!!
そして舞ちゃんに「やっちゃん」とよばれドキドキしちゃう岡部さん!
お………岡部さんってさ……あれだよね。前々からおもってましたが……
ロリコンの気があるよね……
いやーでもあれくらいの女児ってみんな魔性の女だよねえ。うふふ。あはは。
多少ロリコンでも多少太ってても岡部さん大好きですよ!
そうか~なぜ気づかないの続きは、お前が一番手のかかる家族だ。なのか~
ええ~~ほんと~~!?
やっぱり「すきだ」もあったんじゃないの~~???
あの口パクは
お前が
いちばん
手のかかる家族だ
ってこと??そんなぁ………あんまりだ………
でも家族だって、もうすでに思ってるんだね!薪さんは!
それは元第九メンバー全員ってこと??青木くんだけ……ではないね。
一番手のかかる、だもんね。
みんな『僕の子供達』なんだ。(クロスケ……)
薪さんは、青木くんからの手紙を読んで「家族だって思ってもいいんだ」って許されたような気分になったんじゃないでしょうか。
もともと、家族を実の父親の手で奪われて、その父親も自ら死に追いやったようなものだと自分を責めてもいて、親友の鈴木さんの命を奪ったこともあって、家族なんて持つことは許されないって思ってたんじゃないかと……。
でも青木くんの手紙を読んで「家族のような」から「家族だ」って心の中でだけでも思っていいんだって、自分を許したんじゃないでしょうかね。
そう思うと、やっぱり最後のセリフ、「好きだ」があろうがなかろうが
なんて重大なセリフなんだ……!!!
いや、やっぱりあれは、薪さんの最大級の愛の告白ですよ!!
とはいうものの……
手紙はまだ岡部さんが持ったままだし。
いったいどうなるんだろう……
いろいろ気になる……!
このままフェイドアウトだけはやめてほしいです………
タジクは最後、妹のお墓が守られたことによって救われたんですね。
沙羅は、彼女の憎しみを否定せず、自ら傷つきながらもそれを受け止めてくれた青木くんによって救われた。
豚にも劣る殺人者だと断罪した薪さんだけど、おそらく墓を処分場から外すようにロシアに働きかけたのは薪さん……だったりなんかするのかなあ?
それは深読みしすぎ??
薪さん、ちょっと青木くんに似てきた……。
家族は似てくるっていいますもんね!!
でも私最終回、ラヴい展開にはならなくて、舞ちゃんと薪さんとの対面もなくってそれどころか意識のある青木くんと薪さんの対面さえなくって、それは残念なんですけど!
でも薪さんのべそっとしたちょーーーーーかわいい泣き顔も拝めましたし。
薪さんらしいドヤ顔もいただきましたし。
ちゃんとタジクにはやりかえしてくれたし。
そればかりか、タジクを最後救いさえしたし。
うん、それはとても満足です。
あーでもちょっとLOVE期待しちゃったけどな……やっぱりな……そうきたか……!!!
いろんな意味で悶々とさせられた~~!
うおー、や、まあそうですよね。
そううまくはいきませんか……
映画まであと1年もありますしね。
白泉社側としてもそんなアレがこーなってあーなっちゃったら色々商売あがったりですもんね!!!
なんてオトナノジジョウのせいにしてみる……
うがーーー!!!!
でもね、あんたたち、もうちょっと会話しなさいよ!
薪さんも逃げ回ってばかりいないで、岡部さんとだけお話ししないで、青木くんとも話してあげて!
本当恋に関してはチキンすぎるよ薪しゃん!!!
そして青木も、「いいんです」じゃねー!
もっとガンガン行け!ばっかやろう!
いや、このお話しはどうも、事件もなかなか面白かったのですがどうしても手紙と口パクに気持ちが持って行かれてしまいます………。
そんなわけで、原罪コミックスまとめ、お付き合いありがとうございました!
合わせてこちらもお楽しみください
(ちょうど原罪の連載を受けて書いた記事です)
「好きだ」はあったのか。そして「家族」について
青木くんの強さについて
感想とツッコミがメロディレビューよりマシマシになっております。
STORY
とうとうタジクを追い詰めた薪。
「沙羅もおまえもロシアの汚い連中と大差ない…自分だけが傷ついている顔をして痛い痛いと泣きながらも同じように平気で人を切り刻む」
「ただ自分だけが刺されて倒れる事を選ぶ青木の方が」
「おまえよりずっと強い…」
そして、青木はーー?

タジクはカザフスタンの養豚場に来ていた。
日本からの国際電話だといわれ、受話機を取るが……
電話の相手は薪だった。
薪は川谷寿明が4人の女性を殺害したこと自供した旨を伝える。
「ただ寿明にもわからないのは4人の死体のありかと変異型CJDの感染経路だ」
タジクが寿明らに感染し発病するように常習的に特定危険部位を混入させていたことを「未必の故意」として充分に殺人罪が適用される物だと言う薪だったがーー
「証拠の脳は?」
タジクは冷静に証拠が何もないことを指摘し
「あんたいつも遅いんだよ 何もかも…!!」
と言い捨てて電話を切ってしまう。
もう、薪が日本からここにたどり着く頃には、証拠は何も残っていない。
そう確信するタジク。
妹 アルマの墓参りに出かけるタジクだったが、墓地一体は放射性廃棄物の最終処分場になっており、立ち入ることができなくなっていた。
金網からアルマの墓を茫然と見やるタジク。
そこに背後から細い手が伸び、激しい音を立てる。
「人の身体は平気で豚に喰わせるくせに自分の妹の墓は骨になっても守りたいのか」
薪の姿に驚くタジク
「おまえが寿明のまわりにいる女性達も病気に感染する危険性を知りながら食事を作り続けたせいで、誰かのために日本で体を張って働き続けた彼女達は死にーー家族や知人に弔われまつられ別れを告げる機会まで失ってしまったーー」
「一体誰に何の権利があってーー?彼女達に何の咎があって?」
「沙羅もおまえもロシアの汚い連中と大差ない…」
「自分だけが傷ついている顔をして痛い痛いと泣きながらも同じように平気で人を切り刻む」
薪はさらにタジクに詰め寄る
「ただ自分だけが刺されて倒れる事を選ぶ青木の方が」
青木の姿を思い、涙をにじませる薪
どんなに辛い過去を背負っていても決して人前で傷ついた顔をみせない青木ーー
「おまえよりずっと強い…」

涙をみられたくない薪は顔を背ける。
電話は日本からじゃ…と問うタジクの手に手錠をかける。
薪はすでにカザフスタン警察に協力を仰ぎ養豚場の鑑識作業を行っていた。
「だからおまえが僕の電話に出る前からすでにーー」
手錠のもう一方を自らの手にかけ
「この勝負は決まってたんだ」
薪さーーん!!かっこいい!!
よかった!やっぱりやられっぱなしは薪さんらしくないです!!
そのドヤ顔が出てこその薪さん!
そして、「おまえよりずっと強い…」の薪さんきゃわわ。
も~~なんですか、その愛らしさ。
「殺人罪」は証拠がないから立件も起訴もできないはずだ。「死体遺棄罪」「死体損壊罪」で自分を捕らえるためだけにわざわざカザフスタン警察を動かし、飛行機を乗り換えてやってきたのは何故だと問うタジク
「わからないのかタジク」
「お前は僕を怒らせた」
「僕を」
何度も煮湯を飲まされたような今回の事件を思い出す薪。
傷ついて横たわる青木の姿をーー
「怒らせたんだ」
タジクは「死体遺棄罪」「死体損壊罪」で起訴が決定した
4人の女性に対する殺人罪は証拠がなく不起訴
寿明に対する殺人未遂のみが捜査続行となった。
「死体遺棄罪」「死体損壊罪」だけであんな大掛かりな捕物を………
絶対絶対、薪さん後で警視総監にめっちゃ怒られてると思う!!
岡部は青木が退院する日、薪に一緒にいかないかと声をかけようとする
岡部は薪が青木に返した手紙を持って帰ってしまっていた。
ひどく後悔する岡部。
「でもっ!!いくら薪さんでももらった手紙を差出人に突っ返すなんてひどいと思ったんすよ!ちゃんと返事をーー」
が、薪はすでに外出していたーー
岡部母さん!持って帰っちゃったの??えええーーー!!
ノミの心臓のくせに、大胆なことを!
しかも中は見てないんだ。岡部さんらしい。きっと何度も「ちょっと見ちゃおうかな…」という誘惑に打ち勝ってきたにちがいない
タジクは拘留所で弁護士と接見していた
タジクは同郷である沙羅に幼い頃からの恩義があり、沙羅に尽くす事だけが使命となったーー
沙羅の命令には逆らえなかった、という方向で裁判は進めるという弁護士だが、タジクは黙秘をつづけ何も喋ろうとしない。
人間を人とも思わない川谷寿明の所業に、寿明もまわりの女達も死んでも構わないと自らも鬼のような所業をしてきたことを思い返すタジク。
そーそー。
前にもちょこっと書いたのですが、いったいタジクはいつから川谷の食事に特定部位を混ぜ始めたんでしょうね?
「悪いソレ始末しといて まだ子供だってバレたらヤバいから」
っていう(これが吉川ヒナ?)彼女は、どうやら病気を発症したからじゃなくて乱暴によって亡くなったっぽくないですか?
そして体つきから14、5歳くらいにしかみえないんですけど………??
この彼女がきっかけで混ぜ始めたっぽいのですが、最初の死体処分にしては川谷があっけらかんすぎる気が……
でも、多分そうなんだろうな。
というか、この前にも何人かやってそうな感じがしちゃうんですけど………
そして沙羅!!
私が一番このお話でナゾなのは沙羅です。
30歳の時、4歳の娘を失う。26歳くらいで産んだんですよね?
旦那様はいないみたいなので、もしかすると夫も病気で??
彼女もタジクと同じ貧しい地区の出身で缶詰工場で働いていた。
タジクより3つ年上ですよね。
そしてタジクをかばって暴行を職員たちに日常的に受けて聴覚に障害が残った。
自らも癌を発症し、余命いくばくもないと知ってロシアのポトノフ外相を殺そうとするーー
↑これ何歳くらいに決意??
WHY??
たしかにポトノフ外相、ひどいですよ?
でも………
核実験自体は1949~89年
このお話は2065年。76年ほど前に実験は終了しているわけです。
後遺症で苦しむ、というのはもちろんあるのでしょうけど、ポトノフ外相はまだ産まれてないくらいの昔でしょう。
その後、いつ頃外相になったかはともかく……
『放射性廃棄物最終処分場にした』という恨みはわかります。
しかしそれも外相一人で決めることではなく、カザフスタン政府、ロシアの官僚などなど色々な責任者がいますよね??
なんで『ポトノフ外相コロス!!』になっちゃうんだろう……??
当時生まれてもいない人に恨みを募らせるのってなかなか出来ない気がするんですが……。
(だから7巻の淡路はわかるんですよ!千堂大臣を恨むのも!張本人だし。)
しかも、多分そのために、川谷に取り入って秘書になって(川谷がカザフスタンへの原発技術協力を手がけている議員だと調べて)ポトノフ外相と同席することがあるだろうということで……?
えらい気の長い……!
かなり計画的だと思うんですよ。一体何年かかってるのかわからないのですが。
暴力を振るわれても、殺人の片棒を担がされても??しかも、その割には不確実じゃない??
ただその時の責任者だった&暴言でこんなに強い恨みを持ち続けられるもの……??
川谷もナゾ。
どこの馬の骨ともわからない女性を秘書にする??衆議院議員、そんなにゆるい??
しかもどこから秘書に?寿明からっぽいんですけど、突然あんなアブナイ息子から紹介された女性を、いくら言葉が堪能だからって秘書にする??
そして、貧しかった沙羅はどこで語学を憶えたんでしょうか??
そーしーてー!タジクも!
沙羅のいうことには逆らえなかった、ということになっていますが、タジクならもっと効率の良い方法を考えられそうだし(^^;)
そしてそんな意味のないことはやめろと、どうして止められなかったのか。
今ならもっと有効な手段があるように思うんですけど………。殺す、という個人的な行為じゃなくても………。
一番納得できそうな流れとしては
30歳→リリヤちゃん亡くなる
↓
失意の中、仕事をもとめて日本に
↓
日本語を始め語学を学び、仕事に就き、帰化する(このあたりでタジクも日本に?)
↓
これから前を向いてやっていこうと思っていたところで、癌発症
↓
故郷がロシアの放射性廃棄物最終処分地になってしまう
↓
その担当者であったロシアのポトノフ外相に恨みを募らせる
↓
川谷に近づく
という感じなんでしょうかね??
語学はかなり堪能だから、カザフにいる頃から学んでいたのかもしれませんね。
(日本語、ロシア語、カザフスタン語でしょ?)
個人的な意見ですが、「これから前向きにやっていこう」と思っていたところで過去に引き戻されるのって本当にキツイので……。
その恨みが全てポトノフに向かった、という感じが一番納得がいきます。
それにしても、タジク止めろ………と思いますが。
だって、昔はとても優しかった沙羅が復讐のためにすっかり変わってしまって泣きたいくらい悲しかったんでしょう?
その復讐に手を貸すのが沙羅のためになるとは思えない……。
はい。
以上『原罪』についての激しいツッコミでした。
接見にきた薪はなにも届いてないかのような表情のタジクに『ある写真』を見せる
「アルマの墓のあるカイナールの丘だ」
ロシアは墓地を廃棄処分場から外す事に合意したのだ。
「食事会の一件はポトノフ外相にも何か変化をあたえたのかもしれない」
「だからこれは今のアルマの墓だ」
「お前達の故郷のカザフスタンの今の空だ」
その写真に、一筋の涙を流すタジク
「僕はまだお前の料理を食べていない タジク」
「一度も」
「ここから出たらつくりましょうか?」
タジクは人間らしい微笑みを見せた。
青木は退院し、福岡に帰ることとなった。
「行ちゃん おしたくできましたかー」と無邪気にじゃれる姪の舞。
その微笑ましい様子を見守る岡部だったが、姿を現さない薪を気にする

「いいんですよ。すみません 気を遣っていただいて」
青木は「薪さんがこーいうの苦手なのよく知ってます」と言い
「だから いいんです」
手紙の返事もーー
空港へ向かうタクシーを見送る岡部。
にこやかに手をふる青木一家に手を振り返しながら、あの日の薪のことを思い出していた
病室で声も出さず、唇を動かしていた薪。
あおき
なぜ気づかない
おまえが
お前が一番手のかかる家族だ
ただ眠る青木の手を握る、薪の姿をーー。
たっしゃでな!青木!何て言われたらおしまいって、やっぱ薪さんちょっと言葉遣い古……っ!!!
そして舞ちゃんに「やっちゃん」とよばれドキドキしちゃう岡部さん!
お………岡部さんってさ……あれだよね。前々からおもってましたが……
ロリコンの気があるよね……
いやーでもあれくらいの女児ってみんな魔性の女だよねえ。うふふ。あはは。
多少ロリコンでも多少太ってても岡部さん大好きですよ!
そうか~なぜ気づかないの続きは、お前が一番手のかかる家族だ。なのか~
ええ~~ほんと~~!?
やっぱり「すきだ」もあったんじゃないの~~???
あの口パクは
お前が
いちばん
手のかかる家族だ
ってこと??そんなぁ………あんまりだ………
でも家族だって、もうすでに思ってるんだね!薪さんは!
それは元第九メンバー全員ってこと??青木くんだけ……ではないね。
一番手のかかる、だもんね。
みんな『僕の子供達』なんだ。(クロスケ……)
薪さんは、青木くんからの手紙を読んで「家族だって思ってもいいんだ」って許されたような気分になったんじゃないでしょうか。
もともと、家族を実の父親の手で奪われて、その父親も自ら死に追いやったようなものだと自分を責めてもいて、親友の鈴木さんの命を奪ったこともあって、家族なんて持つことは許されないって思ってたんじゃないかと……。
でも青木くんの手紙を読んで「家族のような」から「家族だ」って心の中でだけでも思っていいんだって、自分を許したんじゃないでしょうかね。
そう思うと、やっぱり最後のセリフ、「好きだ」があろうがなかろうが
なんて重大なセリフなんだ……!!!
いや、やっぱりあれは、薪さんの最大級の愛の告白ですよ!!
とはいうものの……
手紙はまだ岡部さんが持ったままだし。
いったいどうなるんだろう……
いろいろ気になる……!
このままフェイドアウトだけはやめてほしいです………
タジクは最後、妹のお墓が守られたことによって救われたんですね。
沙羅は、彼女の憎しみを否定せず、自ら傷つきながらもそれを受け止めてくれた青木くんによって救われた。
豚にも劣る殺人者だと断罪した薪さんだけど、おそらく墓を処分場から外すようにロシアに働きかけたのは薪さん……だったりなんかするのかなあ?
それは深読みしすぎ??
薪さん、ちょっと青木くんに似てきた……。
家族は似てくるっていいますもんね!!
でも私最終回、ラヴい展開にはならなくて、舞ちゃんと薪さんとの対面もなくってそれどころか意識のある青木くんと薪さんの対面さえなくって、それは残念なんですけど!
でも薪さんのべそっとしたちょーーーーーかわいい泣き顔も拝めましたし。
薪さんらしいドヤ顔もいただきましたし。
ちゃんとタジクにはやりかえしてくれたし。
そればかりか、タジクを最後救いさえしたし。
うん、それはとても満足です。
あーでもちょっとLOVE期待しちゃったけどな……やっぱりな……そうきたか……!!!
いろんな意味で悶々とさせられた~~!
うおー、や、まあそうですよね。
そううまくはいきませんか……
映画まであと1年もありますしね。
白泉社側としてもそんなアレがこーなってあーなっちゃったら色々商売あがったりですもんね!!!
なんてオトナノジジョウのせいにしてみる……
うがーーー!!!!
でもね、あんたたち、もうちょっと会話しなさいよ!
薪さんも逃げ回ってばかりいないで、岡部さんとだけお話ししないで、青木くんとも話してあげて!
本当恋に関してはチキンすぎるよ薪しゃん!!!
そして青木も、「いいんです」じゃねー!
もっとガンガン行け!ばっかやろう!
いや、このお話しはどうも、事件もなかなか面白かったのですがどうしても手紙と口パクに気持ちが持って行かれてしまいます………。
そんなわけで、原罪コミックスまとめ、お付き合いありがとうございました!
合わせてこちらもお楽しみください
(ちょうど原罪の連載を受けて書いた記事です)
「好きだ」はあったのか。そして「家族」について
青木くんの強さについて
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