秘密 トップ・シークレット 2008 PIECE OF ILLUSION(6巻)レビュー
青木くんが来る前、鈴木さんの事件があり、崩壊寸前の第九に岡部さんが配属されるお話です
STORY
捜査一課生え抜きの 岡部靖文警部は 死んだ人間の脳を見る「第九」に配属となった。
「あんなのは捜査とはいえない。ただののぞきと同じじゃないか」
と反発をおぼえる岡部だったが……
第九は「貝沼事件」の影響を受け、薪を除くすべての捜査員がいなくなっていた。
許されざる不祥事に、壊滅寸前となっている第九。
岡部は上層部から薪を監視し報告をするように言われーー

この巻の最初の見開きのカラーイラストすっごくすっごく綺麗ですね!!
一番好きなカラーイラストかも〜〜!美しい〜!
みんな大好き岡部さん☆5巻からの岡部さん祭りですな。
岡部さんが出ると、なんかホッとします。
一人の女が4人もの被害者を出した刺殺事件が起きた。
容疑者が自殺したため、捜査の全権が捜査一課から「第九」に移ることとなった。
時を同じくして、捜査一課生え抜きの 岡部靖文警部は 死んだ人間の脳を見る「第九」 に配属となり
「あんなのは捜査とはいえない。ただののぞきと同じじゃないか」
と反発をおぼえる岡部だったが……
第九は「貝沼事件」の影響を受け、薪を除くすべての捜査員がいなくなっていた
許されざる不祥事に、壊滅寸前となっている第九。
岡部は上層部から薪を監視し、「貝沼事件」の影響はないか、室長としての資質に問題はないか、報告をするように言われる。
最初現場にいる捜査一課の方々が靴をビニール袋のようなもので覆ってますね。
そうそう、こんな感じで全身をビニールっぽいもので覆うらしいですよー
確かに現場にちがう髪とか唾液とか衣類の屑とか落ちると、大変ですもんねー。
岡部さんと薪さんの初顔合わせ!
月下美人を背負ってのご登場ですが、精一杯虚勢をはる薪さん。
「こんなふうに 僕が撃ち殺して」
って、あーもう!!もうもうもう!痛々しい!
白昼夢とか見てるし。しかし薪さんの夢のなかの鈴木さんがいつも「ブラック鈴木」なのが気になる。
罪悪感ゆえなのでしょうか。たまには本来の優しい鈴木さんの夢を見てあげてください。
そして、曽我さんと小池さん登場!
この3人は同じ時期に第九に配属になったんですねー!
「今や全国30万人警察職員憧れの存在の岡部靖文警部」っていうだけあって、ふたりも「岡部さんだー!」ときゃっきゃしてるのが可愛い。
被害者女性の脳を第九で見ることとなったが、そのあまりのリアルな映像に愕然とする岡部。
まだ他の被害者や容疑者の脳を見るという薪に、なぜそこまでと問うが
「脳の画は主観的な画で客観性がない」
「判決は郁子(容疑者)の脳を見るまで我々が軽々に出すべきではない」
と薪は答える
「何のためにそこまで…?みんな死んでしまっているんですよ」
「みんな死んで もう誰も語る口を持たないから だから」
第九の明らかな必要性を感じる岡部だったが、薪のように冷淡にMRI捜査に当たることはできないと移動願いを出そうとする。
室長室を訪れたが、室内で物音がしーー
無理やりドアを蹴破った岡部が見たものは、薪が自分が殺した鈴木の幻覚を見て、悪夢と現実のあわいで混乱した姿だった。
しっかり仕事をする薪さんですがその合間合間にしょっちゅう幻覚を見てたんですね。
つらいわ……
薪さん、岡部さんによる初お姫様だっこ。
混乱し、コーヒーメーカーで火傷を負い気絶してしまう薪の応急処置をし、救急車を呼ぶ岡部。
しかし、部屋の惨状をみた総監や所長、曽我や小池まで薪に反感を抱いていた岡部が危害を加えたのではと疑う。
岡部はその様をみて、いままで自分が頼りにしてきた状況証拠や証言はあまり当てにならないものだと実感する。
薪の様子を見に病院を訪れた岡部に、薪は「僕に反感を抱いていた貴方が僕を何故庇って…」と問うが
「かばってない 気にくわないアンタをかばうつもりもなかったよ」
ただ、有罪と決めつけた人間が、容疑者の言葉を全く信じないことを目の当たりにし
「今ここでオレの脳味噌をとり出してこいつらに見せてやりたい そう思いましたね」
と告げた。
薪にちゃんと眠れば貝沼のユーレイなど見ないと薬を渡し、体調が戻ったら捜査を続けようという岡部に驚く薪。
岡部は事件の真実を見届けてやりたくなったと微笑む。
その言葉に、薪はMRI捜査で見た画から真相のヒントを導き出すのだったーー
「ドアが蹴破られてる」って言ってる人、今井さんに似てる気がするんだけど、たまたま?
目覚めた薪さんの微笑みは「薪さんの美しい微笑みBEST5」とかファンに集計したら間違いなく上位に入ってくるであろうシーンですね!

「あんたがもうひとまわりでかいムサイ男でオレが160センチの小男だったら同じ状況でもきっともっと正しい見解が…っ」
って岡部さん名台詞。
薪さんが見たのが「貝沼のユーレイ」だとしか思っていない、岡部さんの善良さ。
……と思ったら、これは薪さんのことを思ってわざと鈴木さんのことを言わなかったんだと後で気づきました。
さすが岡部さんだ!ますます惚れた!
「あ…っっ手ェッ!」とか「ダメです!薬飲んで早く寝なさい室長!」とかもうすでにお母さんっぽくなっている!!
この後も口うるさく薪さんの体調を心配し、「まるで僕の専属看護師ですね」とか言われてるし。面倒見がいいなあ。
勝手に退院し、捜査に戻ってきた薪。
今回の事件の容疑者 小島郁子は母親を亡くし認知症の父の面倒を一人で見ていた。しかしその辛い現実に耐え切れず、リストカットを繰り返した末、スーパーモデルのように美しい自分を幻視するようになっていた。
自分の心を守るための幸せな幻覚ーー
その幸せで脆い幻覚の世界を破ったのが被害者の一人、 正だった。
医療や看護に関心があり、大学で医療関係の研究をしていた彼は、郁子の妄想を治してやろうと思い、安定剤を手渡す。
しかし、その空想の世界を奪われた郁子は現実に耐え切れずーー
血液の再検査をしたところ試薬段階の向精神薬成分が検出され、そのために攻撃性が増し4人を刺殺する凶行にいたったのではないかという結果になった。
捜査を始める前は状況証拠で犯人の心情を決めつけていた岡部に、薪は皮肉を言う。
第九の捜査の凄さを認め、先入観を持っていた自分が悪いといいつつ、
「でも室長 あんたもね」
と声を荒げる岡部だったがーー
「すいません ご心配おかけして」
「でも」
「一人で病院にいるよりここで仕事をしていた方が落ち着くんです。一人でいるといろいろ余計なことを考えてしまうので」
と静かに言う薪に
彼が一番親しい友人を自らの手にかけて殺してからひと月も経っていないということを、まるで忘れていたことに思い至る。
犯人の郁子の認知症の父親に事件の説明をしに行くという薪。
何もわからないのでは、と岡部は言うが、薪はそれでも報告する義務がある。彼の見ている世界は誰にもわからない。と答える。
岡部は運転を申し出、
「もう敬語はやめて下さいよ!!図体でかくても年上でも俺は「部下」なんですから…」
「これからずっと」
目を見開く薪に
「とばしますから話しかけんでください」
と照れ隠しに叫ぶのだった。
薪さん、わかりにくいけどこういう細かいところにまで気を巡らせて、思いやる優しい心を持っている人なんだよねー。
普段は意地悪なのに。
そして、年上っていっても、1コだけだよね?岡部さん。ほぼ同年代のお二人。見えないけど。
この回は薪さんが幼いというか、寄る辺ない感じというか……
それは鈴木さん事件のすぐ後のせいなのか岡部さんという庇護者の登場のせいなのか。
わかりませんが、明らかにかわいらしい薪さんでした。
この後のお話を読んでも思ったのですが……
岡部さんの薪さんへの思いは忠誠心とか保護欲とか、そういったものだと思うんだけど、大きい思いですよねー
薪さんの救いって、実は岡部さんによるところが大きいんじゃないかって思う。
岡部さんがいなかったら、薪さんダメだったような気がする。
すっかり第九の(薪さんの?)お母さんとなってしまった岡部さんのお話でした。
この薬の件については、医療関係の人は「ちょっと待ったあ〜!!」って思うようですね!
まあ、そうですよね……まあでも……まあまあ。
私たちの性格とか性質とかそういうのって結構あやふやで、ちょっとした脳内物質で変わっちゃったりするんですよねえ。それは薬だったり病気だったり、そんなもので全く別人のようになったりもする……って感じたことがあるので、この回のことは他人事じゃないというか……
あと、自分の姿が美しく見えるっていうのも……
人間って、写真撮るときやメイクをするために鏡を見るときは「一番いい顔」を作っちゃう、他の人の目に映るのは気を抜いてる自分の姿だから、そういう姿を確認したほうがいいっていう話を思い出しました。
ある程度、すべての人間は自分の姿を「よりよい」ものとして鏡に映しているのかもしれないし……逆もありそう。
私も年甲斐もなくヘンな服が好きなので気をつけなくちゃな!!マジで!
この事件も辛いお話でしたなあ……
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