秘密 トップ・シークレット 2001(1巻)レビュー

秘密 トップ・シークレット 2001(1巻)

STORY
2060年、皇室の結婚式に日本中が沸き返る中、同じ少年院にいた少年たちが次々と自殺していく事件が起こり、法医第九研究室で日本で11例目のMRI操作が始まる。
青木一行は、「宇宙ステーションばりの最新設備を誇り、東大・京大卒で占められるエリート集団」法医第九研究室(通称第九)に配属される。
一見幼く容姿端麗ながらも、天才的な頭脳と捜査能力を持つ第九室長 薪剛 警視正とともに捜査を開始するが………

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はい、では考察と感想とつっこみ参りますよ〜

大統領の捜査から約5年後ということで、MRI捜査もちょっと進歩しております

死亡後10時間以内に脳を取り出す
チップなしでも映像の再現が可能
最大5年まで遡れる


(これ、だんだんとできる幅が広がってきますので、後々チェックしていきましょう〜)


これ、冒頭に「2060新春」(一月下旬)とあるので、鈴木さんが亡くなってから本当にまだ半年もたってないのですね。
そして、皇室の新しいお妃さま、元スーパーモデルか……日本の皇室も変わったもんですな。

青木くんを貝沼とまちがえて(ひどい)「もう離さない ずっと後悔していた……」とうわ言のように話す薪さん……
「今こんなひどいことには……」と涙まで浮かべてますね。
「この人よく働くけどよく寝る」と所長の田城さんに言われてますが、どうやらこれは夜にちゃんと寝てないせいだと思われます(って後ほどに出てくる)

ようやく目が覚めて青木くんをみて
「第九には合わない」
「警視庁警備局とかの方がいいと思うよ ヘリとかヒコーキにのれるよ」
(青木くんは航空機操縦免許もってます)
(ちなみに、これ、ジェネシスで最後に鈴木さんが言われていたのと同じなんですよ!
エリートの警備局とかに離れたほうが実力発揮できるって。
薪さん、あの時も他の人と談笑しつつ実は聞き耳をたててたり?!)

「君のように見た物や聴いた事を「そのまんま」まともに信じて受け止めてしまうような単純(ストレート)な人間は簡単に引きずり込まれるんだよ 狂った脳に」
「あっち側に」
と詰め寄られ、移動願いを出しておけ、と言い放たれる青木。


何故あんな目で自分を見るんだろうと訝る青木は、岡部に「似てんだよ お前 鈴木さんに」と昨年夏に起こった事件を聞かされる。

2059年「28人連続殺人事件」を捜査していた第九職員は犯人 貝沼清孝の脳の異常性に侵され 薪の部下、4人の捜査員のうち2名は自殺 1名は廃人同然となり入院。
もう1名ーー薪の大学時代からの親友であった『鈴木克洋』は第九の研究室に侵入し、事件のデータと脳を全て破壊、薪室長に2発発砲。
薪が正当防衛という形で鈴木に発砲し、胸を撃たれ死亡していた。


わたし、これを読んだ時に、鈴木さんってすごく青木くんに似ていて、熱血漢で素直な性格で、育ちがよくっていいとこの坊ちゃんっぽい人なのかと思ってたんですよ。
のちのち「んん??」と思うことがちょいちょい出てくるんですが、1巻ではまだそんなイメージです。
(鈴木と同じ顔をして)「まったくよく似ている」とか言われてますしね。

自殺した少年たちは、少年院でレクレーションルームにて慰問のヒーリングをうけ、その際の催眠術によって自殺に追い込まれていたことが発覚。
皇室の結婚パレードを見ることによって、「恐ろしいものが追いかけてくる」という暗示をかけられていたのだった。
そしてその催眠術をかけたのは「28人殺し」の貝沼だった。

これ!これなんですが、少年院の慰問って審査もすごく厳しいはずで、こんな怪しい催眠術かけられますかね??
職員もそこには同席するはずだし、これはちょっと疑問……
催眠術もあんなに見事に全員がかかるものかしら……個人差がありそうなものだけど。


ショックを受け倒れて病院に運ばれる薪。
見舞いに訪れた青木は「貝沼を知っていた」と聞かされる。
3年前、惣菜を万引きをした貝沼を見逃し、品物を施していた。その際に名前と仕事の内容を話し、しつこい程に礼を言われ、生きる希望が湧いてきたと言われていた。
その1年後に28人殺しの最初の少年が殺害される。
貝沼の脳は鈴木によって破壊されており、不明ではあるが、28人殺しの原因が自分ではないかと思い悩む薪。
その原因を探ろうと、青木は鈴木の脳を見るーーーー

ここを最初に読んだ時にすごく違和感を感じた箇所がありまして

「貝沼は僕の父親と同じくらいの年にみえた」
っていうところです

いやいや〜〜薪さんのお父さんをなんで貝沼から想像するの??ありえないでしょって思ったんですけどね。
ジェネシスよんでちょっと納得しましたよ。はい。

それと、薪さんは「鈴木が自分を殺そうとしたこと」に対してとても傷ついてますよね?
岡部さんとのお話のときにも思ったんですけど……
これも後々まで気になっていたことです。(これは鈴木さんの脳をみたことによって誤解が解けた……のかなあ?)

それにしても、このシーンの薪さん、首が細くて色っぽい!
そして、第九のセキュリティ、若干甘くね?なんで青木くんがすんなり鈴木さんの脳見れちゃうんだろう(のちに厳しくなりましたね。多分青木くんのせい)

少年院にて催眠術をかけられた少年で、まだ自殺していない10人目を発見する薪。出所後トンネル工事に参加しており、皇室結婚パレードを見ていない模様。
ヘリで10人目の北村少年の元へ向かおうとする。
青木は勝手にヘリに乗り込み操縦するが……鈴木の脳をみたことで、貝沼事件の影響をうけ、幻覚を見て操縦できなくなってしまう。


薪さん、なんでヘリで少年のとこに向かうんだろう………
ヘリでヘリに近づいても無駄じゃない?いてもたってもいられなかったのか。
でも「北村少年のヘリとつながりました 薪さん話されますか?」というセリフがあるので、近づかないとコンタクトがとれなかったのかな。
悪天候だし、少年のヘリ到着を待とうという岡部さんの意見が正しいと思うよ………
ってか岡部さんはいつもだいたい正しいね……。

ここで「航空法96条97条違反 上空の安全阻害行為……私の拉致誘拐罪で免許停止 懲戒免職になりたくなかったら今すぐもどれ!」
とどなる薪さん。一人称が「私」ってなるときは上司風を吹かせたいときっていうか、公式な立場を理解させたいときなんですかね?

このシーンは青木くんがダメダメで可愛いです。気圧の関係か、気持ち悪くなって幻覚をいっぱい見てしまう。窓一面の逆さまの人の顔だったり、薪さんに抱きつく?!貝沼だったり。
「でもなんか……いいかも………こーいうのも……薪さんと心中ならもおいっかー」
って良くないよ!青木くん!

まじ迷惑だよ!!無理心中かよ!

それに対して薪さん(つれていかれる 死者の脳に 鈴木に!)と青木くんの後頭部を本で殴りつけます

ひでぇ!!!死神扱いかよ!(鈴木の声代弁)

「死ぬなら家で一人で死ね!バカ!迷惑だ」
「あんなクズ同然の貝沼なんかにひきずられる程度のアタマならいますぐ「第九」なんかやめろ」
「お前一体何のために鈴木の脳をみたんだ 鈴木の分も生きるためじゃないのか」


と、薪さんが青木くんを怒鳴りつけます
おそらくこの巻でみんなが「そうだそうだ!」と思ったところじゃないでしょうか
あと、これはちょっと自分に向けてのセリフでもあったのかな……。

それにしても138ページの鈴木さん(薪さん思い出ビジョン)のかっこいいこと………

1巻の鈴木さん

青木くんとはあまり似てなくない?(と思った最初のシーンでした)

「室長……ナウシカみたく相手のヘリの上に乗っかってみていいっすか」「一人のときにしろ!!」っていうシーンが笑えて大好きです。
(ヘリにくわしくないですがそんな芸当ができるの?相手のヘリの人も迷惑だよね)

北村少年は無事催眠術を解かれ、解放された。
そして、薪は鈴木の脳を見る決意をし、その真実に迫るのだった


結局貝沼は薪さんに見て欲しくて犯罪を犯していたことを知ってしまうわけなんですけど………………………
(まあ、それだけでもないんだろうけれど。理由なんかないんだよ。奴は人を殺したいだけなんだからby岡部靖文)


「この画をあえてあなたに見せたのは鈴木さんのことをわかってほしかったからです」
「鈴木さんは貝沼の脳もデータもすべて処分した。この世から総て貝沼のものを抹殺しようとした。精神的に参っているあなたにあの画を見せたくなかった。」
「あの画からーー貝沼からあなたを完全に守るには あとは自分の脳を撃つしかなかったんです」


はああああああ〜〜〜〜?????!!!!(激おこ)
あの………………
これ、言っていいのか、どうなのか、迷ったんですが、
青木くん、ひどくないですか。(青木くんファンの方すみません)
鈴木さんが自分の脳を撃ってまで、薪さんに見せたくないって思っていた秘密をそんなやすやすと………

が、しかし。

考えてみれば鈴木さんはもっとひどいよーーーー!!!
(正常な判断ができない状態になっていたということはわかっているんですが)

大体!!(バンバン!!)
一番薪さんを傷つけたのは鈴木克洋!あなたなんだからねっ!!
親友になんで自分を殺させようとするのよ!ひどいじゃない!


………すみません、ちょっと取り乱しました。
とはいえ、「親友が自分を殺したくなるほどひどい原因があったのかもしれない」と怯えるのとこの事実と、どっちが良かったんでしょうね。
真実に勝るものはないと言えなくもないですが……でもそれはキレイごとな気がします。
青木くんほんとひどい。これも若さゆえなのか………


事件は解決し、ラストシーンの岡部さんと青木くんのやりとり
「よんできましょうか?」
「しってんのか、居所」
「いや、きいちゃいないですけど なんとなくわかりますから」
「青木……なんかますますあの人に似てきましたよね」(曽我さん)
「気にいらねーーなぁ なーーーんか
気にいらねーーーーなあァ あーいうの」

と岡部さんがヤキモチ?を焼くところがかわいかったです。が、あれはヤキモチではなかったのかもなー。
なんかこの時点では青木くんあぶなっかしくて。また薪さんが傷ついて初めて会った時みたいにボロボロになるのを心配していたのかな。半々くらい?

鈴木さんとは誰ともお仕事時期はかぶってないから、曽我さんも鈴木さんを知らないはずなんだけどね。まだ設定が固まってなかったのか、噂で聞いていたのか、どっちかでしょう。

伝染るんだよ
死んだ人の脳を見ると
その人の「念」が


という鈴木さんのセリフに対して

人の脳を見ただけで心まで伝染りはしない
死んだ人の心は死んだ人のものだ
死んだ人のかわりになど誰もならない

鈴木さんのかわりにはだれもなれない
ただ願うことができるだけなのだ

死んでしまった人の分もこの世界を愛していけるように と
人の脳を見る度に 願い続けることなのだ



切なくも美しいラストシーンでした。




青木くん………
それは、鈴木さんの分も薪さんを大事にしていくってそういうこと??(違うか)


このラストシーンを読んだ時、昔からの清水玲子先生ファンはきっとジャックを思い出しますよね。
ジャックとエレナシリーズ。
このシリーズのテーマが、そのまま「秘密」という作品に受け継がれているとおもいます。ちょっと薪さんとエレナは似てますしね。エレナはロボットだけど。
エレナは昔愛した「天龍」という人を忘れられなくて、顔がそっくりなジャックにその面影を見るわけなのです。
清水先生の作品にはかつて愛した人の面影を別の人に見るというシュチュエーションがちょくちょく出てきますよね。

ぐいぐいと引き込まれた第1巻でした。


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コメント

Secret

はじめまして!

こんにちは。はじめまして〜!コメントありがとうございます。

うちのブログを気に入っていただけて嬉しいです!
レビューをちこちこ書いた甲斐があります……!!

鈴木さんの件、そうなんですよねー。薪さんは本当に鈴木さんのことが好きだったんだなあと思うと同時に、いまひとつ自分という存在を認められないというか……あのあたり切ないですよね。ゆけさんの感想どおりの心の揺れ方だったんじゃないかと思います。

でも鈴木さんは本当に薪さんを大切に思ってたんですよねー。
今はそれもわかっていると思います!

またぜひ、コメントしてくださいね〜!ありがとうございました!

No title

はじめまして。

1巻、なつかしいです!
映画化のおかげで(?)再燃して、職場で普及活動が自然と始まってしまいました。

私、秘密ブログ、1件しか追っかけてなかったのですが、
こちらの感想好きです!

トレスっていうのも、逆に(?)いいですねっ
周りのコメントがおもしろすぎますっ
絵がリアルな分、コメントの説得力の威力3倍増!(笑)

私は1巻の時点で鈴木は完全ノーマークでした。
薪さんのトラウマエピソードのためだけの存在で。
どんな印象も持ってなかったですね、そういえば(笑)
「似てる」とか言われても、「あっそう。そういう設定なのね。オッケー」
ぐらいした。
今では「薪さんごめん」と思うほど大好きです。(←?)

でも、この感想、すっごく「そうそう!そんなこと思った!」
て思うことがたくさんありまして。

「鈴木が自分を殺そうとしたことにすごく傷ついてた」
っていうのが「そうっ!!!!それだ」と。
まさにそうでした。
鈴木が自分に発砲するという、思わぬところからきた攻撃がショックすぎたんですよね。
それがどういう理由で、どういう状況下で、とかいう問題じゃなく。
鈴木さんと自分の関係性ということになると客観的で冷静な思考が機能しない薪さんは、ほんと、いろんなことがグルグルしすぎちゃったんでしょうね。
攻撃されたことに加え、鈴木が死んでしまったショック、しかも自分が殺してしまったショック、すでに起こってしまった連続殺人の重さ、罪悪感と後悔で限界だった薪さんは、深く深く傷つき限界を超えてしまったのでしょう。
鈴木という精神安定剤のない状態で、立ち直ることさえもできず、ただただ自分を責めていた。

鈴木の優しさや、自分をどれだけ信頼してくれていたか、を考えればすぐに見つかるはずの答えも、
自分の都合のいいように考えているだけじゃないのかという錯覚にとらわれて、封印してしまったんだろうと思って読んでいました。
それゆえに、鈴木が自分を憎む、という疑念を持っちゃったというか、罪深い自分にはもうその選択しか許されないと無意識に思い込んでいたのではないかと。

だから、鈴木がそんな酷いことを考えるかどうか、ではなく、憎まれるということしか薪さん自体が選べなかったんじゃないのかな、と思っていました。
(そんなことないよーーー薪さーーーん)
と必死に否定しながら読んでいた覚えがあります。

あ、長くなってしまった。
感想を読んでいて、まだまだ共感したり、思ったりしたことはあるのですが、文章を短くする才能を残念ながら持っていないので、突然ですがこの辺で。
1巻を読んでいた頃がフラッシュバックしてしまったので、そんなことをダラダラと思い出していました。

とにかく、感想おもしろかったです!
失礼します。

鍵拍手コメ

Aさん、鍵拍手コメありがとうございます

鍵にしてくださったのはおへんじはいいのよ的なアレだったのかとおもうのですがここに書いてしまう……

この、見せたほうが良かったのか悪かったのかは、私もはっきり答えが出せないんですけど、薪さんがこれ以降こわい鈴木さんの幻覚を見なくなったので良かったのかもしれないです。

でも鈴木さんの気持ちになると「何してくれとんじゃワレエ!」的な…………命を落とした意味がなくなるんじゃないかって思ったり。
でももともと鈴木さんが薪さんに撃ってくれなんて言わなきゃ良かったんだしなーと思考がループに入っちゃいます。
一条ゆかり先生のお話!おお〜。あんな大御所にまで。でもけなしてテンションを上げるっていうのがなんとなく「らしい」っていうか……(^^;)

私もです〜

K@zumiさん、コメントありがとうございます!

1巻と絹子事件のエンディング、私もとても好きなんです!

私も全巻買いまして、ついでに昔の作品もまた読みたくなって買い直しました。(持ってたんだけど随分前に母に処分されちゃったので……)

しかしあの本どこいっちゃったんでしょうねー……

はじめまして

しづさんのところから飛んできました(^∇^)

わたし、この1巻のエンディングがとてもスキです。

わたしも昨年「1巻タダ読み」ではじめて読んだんですが(おひ!)、このなんとも云えない余韻を残すエンディングに惹かれて次からはお金出して買ったクチです。

何度読み返しても、このエンディングは秀逸です!
プロフィール

ねこじゃらしにゃんたろー

Author:ねこじゃらしにゃんたろー
こんにちは
にゃんたろーです!

清水玲子さんの「秘密」についてのレビューを書き散らかします。
ネタバレばかりです。要注意です。

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