MELODY 2018 4月号 秘密 冬蝉 act.4その2
扉絵にしばし心を奪われましたが………
本編レビューに参ります!!!

2061年 7月下旬
住田冴子は帰らぬ人となった。
葬式では出棺が近づいていたが住田教授は冴子のそばを離れようとせず周囲を困惑させていた。
その場に焼香をしに現れる薪。
「すいせい2」の打ち上げは成功し、ハレー彗星から届いた地球を写した映像は世界中を熱狂させ天文ブームを引き起こした。
しかし、冴子は細川教授殺害で有罪判決。住田教授も殺害には関与していなかったものの、遺体から脳を取り出していた罪で略式起訴され有罪判決が下り罰金刑となった。
結局ほぼ100%検察側の薪の主張が通った結果となった。
焼香をして手を合わせる薪に住田が一枚の写真を差し出す。
そこには「すいせい2」が送ってきた地球が写っていた。
住田はこの「すいせい2」プロジェクトに関わった科学者や研究者がすいせい2を見ることなく短い命を終えていったこと、せめてと「脳」を差し出して行ったこと、「脳」を見ることは人間の限られた時間と情報量を打開する唯一の突破口であったことを涙ながらに薪に語った。
「それでも我々が人の『脳』を見ることが赦されないと言うのなら何故」
「では何故『第九』だけが赦されるのだ」
「君は我々よりも『何か』『特別』だとでもいうのか?自分達だけが何か高尚で人の『脳』を『秘密』を見ても良い」
「暴く権利があるのだと君がもし勘違いしているのならそれこそ それこそが傲慢ではないのか!!」
恩師の言葉に青ざめる薪。
その様子に青木は以前第九に反感を抱いた露口絹子に投げつけられた「あんたのやってることの方がずっと恥ずかしい事よ!」と言うセリフを思い出していた。
「第九は、第九の使命は何故その命が断たれてしまったのかをつまびらかに…」
薪が第九の意味を説こうとしたものの、住田は被せるように声を荒げて糾弾してきた
「そうやって『犯罪捜査』と言う肩書で権力をかさに一番多くの脳を見てきた君こそ」
住田の指が薪の眼前に差し出される。
「君こそが赦されざる者ではないのか…!」
指さされ立ち尽くす薪の脳裏には「やりがいのある仕事だ」と語った鈴木の姿が蘇っていた。
『すごくやりがいのある仕事だよ 薪』という声がーー
住田は泣きながらその目の前で地球が写された写真を破った。
「薪さん!」
動けない薪の身体を後ろから抱きかかえるようにし、青木は薪をその場から連れ出した。
住田の暴言や怒りの視線から薪を護るように。
青木が「キッ!」と住田先生を睨んでいたの、よかったですね。
そして体格差、いつもだけどすごい。
住田先生の暴言……
私もact.2のレビューの時に、では何故第九ならいいのか。って書いたんですけどね……。
なんかごめんなさい……。
や、でもさー、それをいうなら死刑だって、殺人はダメだけど国家が人をコロスのはいいのかとかそんな話になっちゃうしー。
いやでも、薪さんは私利私欲のために見ているわけじゃないし!
そして第九の発足は薪さんが中心人物ではあるものの一人で成し遂げたものでもなく、おそらく世界中で同時に様々な国でなされているのでしょう?(少なくとも始まりはアメリカだし)
そんな薪さんだけのせいにしても……
と、誰もが
「住田あああああ!!!」
と怒りを覚えたに違いないこのシーン。
せっかく珍しく慕っていた恩師との決別が痛々しいシーンでしたが。
でも薪さんはとっくにこういう風になることを覚悟していた……。多分、act2、もしかしたら1くらいに。
だからこの暴言にもショックはあるにせよそんなには驚かなかったのではないでしょうか……。
なにせもうお葬式で暴言を吐かれることには慣れっこ………(!!!!)
いつも、行かない方がいいような、行かなくてもいいようなお葬式にも必ず顔を出す薪さん……。
もしかしたら、あえて憎まれるためにお葬式に顔を出したのかもしれません。
憎まれ役を買って出て、残された人の気持ちのやり場を残すのかも……。
ううっ。
でも後ろから連れ去った青木くん、いい仕事しました。
そして住田夫妻なのですが言い分があまりに自分勝手でなんだかなーとact3で思ったものの……。
清水先生の至高の愛の形に
「その罪ごと愛している」(輝夜姫)
「魔女であれなんであれ僕はあの子が好きなんです 他の人の沢山の尊い命より」(月の子)
という、盲目的なまでの許容する愛というのがありますので
ある意味、住田夫妻の愛も、究極の愛の形なのかもしれません。
きっと住田先生にはわかっていてそれでもなお冴子を愛していて
その愛ゆえに薪さんに酷い言葉をぶつけずにはいられなかったのかもしれません。
理不尽で理性的ではないのが、愛というものなのかも。
なんて思ったにゃんたろーでした。
離れた公園まで薪を連れ出し、息をつく青木。
薪はただぼんやりとベンチに座っているだけで、何も喋ろうとしない。
あたりに鳥と蝉の声だけが響く。
「大丈夫ですか 薪さん」
何も答えない薪に、青木は語りかけた
「あの方はご存知ないんです。
薪さんがああまでして冴子先生から生前自供をとったからこそ死後冴子先生の遺体を傷つけるMRI捜査をせずに済んだことがわからないのです」
青木は第九が脳を見るのは「己」のためではなく、「被害者」「遺族」のためだけでもなく一つの事例としてつまびらかにして「後世」に残す必要があるからなのだと思う、と語った。
市井の人々のため、誰でもあらゆる犯罪を「知って」見ることができるように誰かが公正な目で見て残さなくてはならないーー
「誰か」がその嫌な役目を引き受けなくてはならないのだと
「青木」
「そしてその誰もやりたがらないことを『第九』がーー薪さんが1人で引き受けているのだと」
「青木」
薪は始めて青木の方を向いた
「オレは思うんです」
「青木 うるさい」
「ええ いやでも そんな」
感謝か何かの言葉かと思った青木だが、ふと脳に届いたセリフが『うるさい』だったことに一瞬動きが止まる。
「…?は?」
「あれ」
すっと薪が上を指差す
「あの鳥の名ーー知ってるか?」
唐突な薪のセリフに戸惑い、「は??え?鳥? って聞いてました?今のーー」
青木としては決め台詞のつもりだったのだがあっさり聞き流されたらしい。
薪はその鳥が2年前のあの別荘で見た鳥と同じ鳥であることが気にかかっていた。あの日、雪子の前から逃げた時に飛び出してきた鳥と同じ種類のーー
「あの方はご存知ないんです。
薪さんがああまでして冴子先生から生前自供をとったからこそ死後冴子先生の遺体を傷つけるMRI捜査をせずに済んだことがわからないのです」
えっわからないかな!?多分わかってる!わかってるけどそれはそれこれはこれなんじゃないかなー。
わかってなかったら優秀な頭脳を疑うわ……。
子供みたいにベンチに座ってぼーっとする薪さんが痛々しいながらも、可愛い……。
そして青木くんの慰めの言葉、絹子の暴言に対しての自分なりの答えなんですかね。
聞いてない薪さんですが、本当はちゃんと聞いていてちょっと安心していると思いますよ……。
しかし、青木くんって決めセリフ的なことを言って自分では「決まった……」と思ったものの薪さん全然聞いてないというのクロスケでもありましたねえ。
ぷぷ。ちょっとおバカさんで可愛いところです。

「何故あの鳥は…青色のキャップを…?」
口に何か青い色のキャップらしき物を咥えてさえずる鳥
幼い頃の夢は獣医であった青木が意気揚々と答える
「鳥の名前はわかりませんけどあれは巣作りに使うんですよ…!」
ある鳥の種類は石やガラスや青いキレイなものであずまやを飾ってメスの気をーー
「ーーってやっぱ聞いてませんでしたね オレの話……」
突然薪が弾かれたように走り出した。
「あ!え?薪さん!」
「待ってください薪さん走っちゃ危ない…じゃなくて貴方一人じゃ危ない!」
新幹線に飛び乗る薪。
そして跡を追う青木。
薪の脳裏には2年前の彗星が通過する日のことが蘇っていた
近日点通過予定日 6月8日
7月28日ハレー彗星最接近日
同じ季節
同じ鳥
同じ渡り鳥
もしかして、あの日ーーー
これは京都だから……
別荘はどこなんだろうな。勝手に長野のイメージなんですけど。
星が綺麗に見えるといえば長野。なんとなく。
(後東京から車で行ける距離)
静岡とかもありか……?近場でいえば箱根あたりもあり……??
多分東海道新幹線に飛び乗って後は電車で移動したのかな。
薪さんすっかり上着とか脱いじゃってるけどどこに置いたのか……。
そもそも二人とも全く荷物なくて気軽だなあ……。
そして青木くん、薪さんを子供扱い。
「走っちゃ危ない!」「一人じゃ危ない!」
わかる気もするけれども!
そして切なさMAXの後半へと続きます!
本編レビューに参ります!!!

2061年 7月下旬
住田冴子は帰らぬ人となった。
葬式では出棺が近づいていたが住田教授は冴子のそばを離れようとせず周囲を困惑させていた。
その場に焼香をしに現れる薪。
「すいせい2」の打ち上げは成功し、ハレー彗星から届いた地球を写した映像は世界中を熱狂させ天文ブームを引き起こした。
しかし、冴子は細川教授殺害で有罪判決。住田教授も殺害には関与していなかったものの、遺体から脳を取り出していた罪で略式起訴され有罪判決が下り罰金刑となった。
結局ほぼ100%検察側の薪の主張が通った結果となった。
焼香をして手を合わせる薪に住田が一枚の写真を差し出す。
そこには「すいせい2」が送ってきた地球が写っていた。
住田はこの「すいせい2」プロジェクトに関わった科学者や研究者がすいせい2を見ることなく短い命を終えていったこと、せめてと「脳」を差し出して行ったこと、「脳」を見ることは人間の限られた時間と情報量を打開する唯一の突破口であったことを涙ながらに薪に語った。
「それでも我々が人の『脳』を見ることが赦されないと言うのなら何故」
「では何故『第九』だけが赦されるのだ」
「君は我々よりも『何か』『特別』だとでもいうのか?自分達だけが何か高尚で人の『脳』を『秘密』を見ても良い」
「暴く権利があるのだと君がもし勘違いしているのならそれこそ それこそが傲慢ではないのか!!」
恩師の言葉に青ざめる薪。
その様子に青木は以前第九に反感を抱いた露口絹子に投げつけられた「あんたのやってることの方がずっと恥ずかしい事よ!」と言うセリフを思い出していた。
「第九は、第九の使命は何故その命が断たれてしまったのかをつまびらかに…」
薪が第九の意味を説こうとしたものの、住田は被せるように声を荒げて糾弾してきた
「そうやって『犯罪捜査』と言う肩書で権力をかさに一番多くの脳を見てきた君こそ」
住田の指が薪の眼前に差し出される。
「君こそが赦されざる者ではないのか…!」
指さされ立ち尽くす薪の脳裏には「やりがいのある仕事だ」と語った鈴木の姿が蘇っていた。
『すごくやりがいのある仕事だよ 薪』という声がーー
住田は泣きながらその目の前で地球が写された写真を破った。
「薪さん!」
動けない薪の身体を後ろから抱きかかえるようにし、青木は薪をその場から連れ出した。
住田の暴言や怒りの視線から薪を護るように。
青木が「キッ!」と住田先生を睨んでいたの、よかったですね。
そして体格差、いつもだけどすごい。
住田先生の暴言……
私もact.2のレビューの時に、では何故第九ならいいのか。って書いたんですけどね……。
なんかごめんなさい……。
や、でもさー、それをいうなら死刑だって、殺人はダメだけど国家が人をコロスのはいいのかとかそんな話になっちゃうしー。
いやでも、薪さんは私利私欲のために見ているわけじゃないし!
そして第九の発足は薪さんが中心人物ではあるものの一人で成し遂げたものでもなく、おそらく世界中で同時に様々な国でなされているのでしょう?(少なくとも始まりはアメリカだし)
そんな薪さんだけのせいにしても……
と、誰もが
「住田あああああ!!!」
と怒りを覚えたに違いないこのシーン。
せっかく珍しく慕っていた恩師との決別が痛々しいシーンでしたが。
でも薪さんはとっくにこういう風になることを覚悟していた……。多分、act2、もしかしたら1くらいに。
だからこの暴言にもショックはあるにせよそんなには驚かなかったのではないでしょうか……。
なにせもうお葬式で暴言を吐かれることには慣れっこ………(!!!!)
いつも、行かない方がいいような、行かなくてもいいようなお葬式にも必ず顔を出す薪さん……。
もしかしたら、あえて憎まれるためにお葬式に顔を出したのかもしれません。
憎まれ役を買って出て、残された人の気持ちのやり場を残すのかも……。
ううっ。
でも後ろから連れ去った青木くん、いい仕事しました。
そして住田夫妻なのですが言い分があまりに自分勝手でなんだかなーとact3で思ったものの……。
清水先生の至高の愛の形に
「その罪ごと愛している」(輝夜姫)
「魔女であれなんであれ僕はあの子が好きなんです 他の人の沢山の尊い命より」(月の子)
という、盲目的なまでの許容する愛というのがありますので
ある意味、住田夫妻の愛も、究極の愛の形なのかもしれません。
きっと住田先生にはわかっていてそれでもなお冴子を愛していて
その愛ゆえに薪さんに酷い言葉をぶつけずにはいられなかったのかもしれません。
理不尽で理性的ではないのが、愛というものなのかも。
なんて思ったにゃんたろーでした。
離れた公園まで薪を連れ出し、息をつく青木。
薪はただぼんやりとベンチに座っているだけで、何も喋ろうとしない。
あたりに鳥と蝉の声だけが響く。
「大丈夫ですか 薪さん」
何も答えない薪に、青木は語りかけた
「あの方はご存知ないんです。
薪さんがああまでして冴子先生から生前自供をとったからこそ死後冴子先生の遺体を傷つけるMRI捜査をせずに済んだことがわからないのです」
青木は第九が脳を見るのは「己」のためではなく、「被害者」「遺族」のためだけでもなく一つの事例としてつまびらかにして「後世」に残す必要があるからなのだと思う、と語った。
市井の人々のため、誰でもあらゆる犯罪を「知って」見ることができるように誰かが公正な目で見て残さなくてはならないーー
「誰か」がその嫌な役目を引き受けなくてはならないのだと
「青木」
「そしてその誰もやりたがらないことを『第九』がーー薪さんが1人で引き受けているのだと」
「青木」
薪は始めて青木の方を向いた
「オレは思うんです」
「青木 うるさい」
「ええ いやでも そんな」
感謝か何かの言葉かと思った青木だが、ふと脳に届いたセリフが『うるさい』だったことに一瞬動きが止まる。
「…?は?」
「あれ」
すっと薪が上を指差す
「あの鳥の名ーー知ってるか?」
唐突な薪のセリフに戸惑い、「は??え?鳥? って聞いてました?今のーー」
青木としては決め台詞のつもりだったのだがあっさり聞き流されたらしい。
薪はその鳥が2年前のあの別荘で見た鳥と同じ鳥であることが気にかかっていた。あの日、雪子の前から逃げた時に飛び出してきた鳥と同じ種類のーー
「あの方はご存知ないんです。
薪さんがああまでして冴子先生から生前自供をとったからこそ死後冴子先生の遺体を傷つけるMRI捜査をせずに済んだことがわからないのです」
えっわからないかな!?多分わかってる!わかってるけどそれはそれこれはこれなんじゃないかなー。
わかってなかったら優秀な頭脳を疑うわ……。
子供みたいにベンチに座ってぼーっとする薪さんが痛々しいながらも、可愛い……。
そして青木くんの慰めの言葉、絹子の暴言に対しての自分なりの答えなんですかね。
聞いてない薪さんですが、本当はちゃんと聞いていてちょっと安心していると思いますよ……。
しかし、青木くんって決めセリフ的なことを言って自分では「決まった……」と思ったものの薪さん全然聞いてないというのクロスケでもありましたねえ。
ぷぷ。ちょっとおバカさんで可愛いところです。

「何故あの鳥は…青色のキャップを…?」
口に何か青い色のキャップらしき物を咥えてさえずる鳥
幼い頃の夢は獣医であった青木が意気揚々と答える
「鳥の名前はわかりませんけどあれは巣作りに使うんですよ…!」
ある鳥の種類は石やガラスや青いキレイなものであずまやを飾ってメスの気をーー
「ーーってやっぱ聞いてませんでしたね オレの話……」
突然薪が弾かれたように走り出した。
「あ!え?薪さん!」
「待ってください薪さん走っちゃ危ない…じゃなくて貴方一人じゃ危ない!」
新幹線に飛び乗る薪。
そして跡を追う青木。
薪の脳裏には2年前の彗星が通過する日のことが蘇っていた
近日点通過予定日 6月8日
7月28日ハレー彗星最接近日
同じ季節
同じ鳥
同じ渡り鳥
もしかして、あの日ーーー
これは京都だから……
別荘はどこなんだろうな。勝手に長野のイメージなんですけど。
星が綺麗に見えるといえば長野。なんとなく。
(後東京から車で行ける距離)
静岡とかもありか……?近場でいえば箱根あたりもあり……??
多分東海道新幹線に飛び乗って後は電車で移動したのかな。
薪さんすっかり上着とか脱いじゃってるけどどこに置いたのか……。
そもそも二人とも全く荷物なくて気軽だなあ……。
そして青木くん、薪さんを子供扱い。
「走っちゃ危ない!」「一人じゃ危ない!」
わかる気もするけれども!
そして切なさMAXの後半へと続きます!
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