秘密 トップ・シークレット 2010 END GAME (10巻) レビュー2

STORY
薪の抱える「秘密」とは何なのか。

何のために、薪の命を狙い、薪に対する「見せしめ」が行われるのかーー。

一方、青木はある決断をしていた。


10巻 説得力0 秘密 トップ・シークレット
こんな泣き顔でほっぺ腫らして出ていけって言われてもはいそーですかって言えませんよ。
岡部さんじゃなくても。



そのころ、青木は母親と雪子とともに、倉辻家に預けていた舞を引き取りに行っていた。

優しく舞や青木を気遣う倉辻家の人々。

雪子は青木の母親や舞の面倒を手際よく見てくれていた。

しばしば雪子を和歌子と混同している母親に呆然とする青木。
親しい親族を亡くした時にはよくある混乱で、舞を世話することが母の心には一番いいらしいという雪子。

そのおおらかで暖かな雪子の対応に思わず「雪子」「雪子……さん 母と舞をお願いします」という青木の手に手を重ね「雪子でもいいよ」と答える雪子。
青木はその車を見送って、ぐっと手を握りしめるのだった。


雪子さんいい人……
5巻のバトルがうそのようだ。
本来はおおらかで優しいひとなんだろうな。

薪は未だ、悪夢の中にいた。

今回の倉辻夫婦の殺害に使われたナイフについての鑑識結果ーー
致命傷になったものは「ダガーナイフ」が使われていた。
このナイフはあまり殺害目的で使用された例はないが……
2057年に自殺したとされている石丸大臣事件もダガーナイフが使用されていた。

手紙の映像がフラッシュバックして泣きながらうなされる薪の頬を、岡部が叩いて起こす。
「すいません…ものすごくうなされてて…」
「薪さん…大丈夫ですか…?」

と気遣う岡部に

「出ていけ」

という薪。
頑なな態度に、岡部は声を荒げる。

「小娘みたいに捜査中にひっくり返ってうなされて泣きわめいて足をひっぱってるのはあんただ」
「オレは総監の密命をうけている 「室長はもう限界だ」「幻覚をたびたび見て倒れている」そう報告したら捜査から外されるのはあんただ」

何ならここで今電話をするという岡部の頬に平手打ちを食らわす薪

「おまえもダガーで一突きにされて死にたいのか!」

「おまえの死体は見たくない」
「僕にかまうな 僕を守ろうとするな」
「もう」

そのまま力なく床に座り込んでしまった薪を見て、岡部は肩を掴み、上を向かせる。

この人はまるで野生の猫のように 危険を察知すると人を遠ざけて一人で死ににいこうとする
そのまま一人にしたら「秘密」を抱え込んだままこの人は本当に死んでしまう

「薪さん MRIで何を見たんです」

「あんたが命を狙われる理由は 抱え込んでいる秘密は何なんです」

命が惜しくないのかという薪に、岡部は「おしいですよ!」と答える

「自分の命も 青木の命も 薪さんの命も惜しいですよ」
「だからきいてるんです」
「もう第九から殉職者は出さない そうなんでしょ?薪さん!」



岡部さんッ!!!!岡部さんがいてくれて本当によかった!もう足を向けて眠れません!
本当に薪さんと岡部さんはお互いが大事なんですね。(青木くんとはまた違った意味で……)
岡部さんが器が大きくて、ちゃんと受け止められる人で良かったですよ。
他の人ではこうはいかなかったと思う。

往復ビンタの時、最初「近所の子供の方がマシなパンチを……とか言ってたのに最後「いたいいたい!」ってなってたのが(笑)思ってたより力が強かったんでしょうか。

岡部の言葉に冷静さを取り戻した薪は、あの手紙の意味を説明する。

あの手紙はウイグル語で、薪個人に対する「警告」なのだと
それを強調するために薪にだけわかる言語で書かれた手紙をよませて、死後MRIで見られるようにして「見せしめ」に2人を殺したのだと。

『何故青木の姉夫婦を惨殺する事があなたへの「みせしめ」になるんです?』
当然浮かぶ、薪を苦しめるような疑問を、岡部が口にすることはなかった。

そして、この手紙が読めたのは薪だけではない。
おそらく滝沢にも。

宇野が調べていた「滝沢幹生」の件。
「滝沢幹生」は全く別の人物だった。
現在の「滝沢」と呼ばれている男はなんらかの方法で戸籍を買いすりかわって、日本人の警察官として第九に配属された事になる……。

引き続き、滝沢について調べる宇野。
しかし、そのことを滝沢に感づかれてしまう。

宇野の背後に滝沢が迫る

「よそ者は黙ってろ」

「意味だよ あの手紙の 知りたかったんだろ?」

その手が宇野に伸びようとしていたときーー
滝沢に薪から電話がはいった。
「宇野から離れろ 滝沢」
「僕の部下に指一本触れるな」

薪は宇野のメガネに細工をし、滝沢を監視し、保険をかけていた。
宇野に何かあったらお前はもっと悲惨なことになっていると思え、という薪。

「おまえ達は僕の部下の家族に手を出した 僕はこの事を許さない」
「僕を合法的な手段しかとらない一警察官と思うな」
その薪の言葉に、滝沢は宇野への手を引いたーー。


おうおう。宇野さんご無事でよかったよー。
モニター再起動されたときはどうなることかとドキドキしましたよー。


その頃、青木は雪子を呼び出し深く深く頭を下げていた
「婚約を解消してください。雪子さん」

自分の親から何か言われたのかと気にする雪子に、青木は自分はもう舞のためだけにあの子一人を育てていく、という青木。
子供をなす意思もないのに雪子と結婚はできない。
「申し訳ありません」
そういう青木に、雪子は「それだけで今までの事全部無かった事にするの?」「一体どういうつもりで私にプロポーズしたの?」と怒る。
しかし、青木は姉夫婦が殺されたのは自分が第九の捜査員だったからだと、もしそうでなければ今みんな生きていたのだと訴える

雪子には、たとえ自分のものでなくなっても、生きていてほしいのだ。

お願いします。どうか。

頭を下げる青木に言葉を失う雪子。
亡くなった鈴木と、その亡骸にすがる薪を思い出す。
「…じゃあ…つよし君は?」
「私のように 同じように あなたからつよし君も切り離さないの?」
「つよし君から離れるなり 第九をあなたがやめるなりして彼を遠ざけなくてもいいの?」

「もう2度と逢えなくなってもいいから ただ生きていてほしい そうは思わないの?」

そういう雪子に「薪さんは…」

「あの人は」

「違うんです」
「雪子さんとは全然違う」
「あの人は第一オレのものじゃないし人に「守られる」人でも 誰のものでもない」
「あの人はオレにとって一緒に戦ってくれる人」
「最後まで」

「オレと一緒に戦ってくれる人です」

きっぱりと言い切る青木の姿に、鈴木の様子を重ねる雪子
「私も男になって一緒に戦いたかったわ」

ずっと
ずっと
あの克洋君やつよし君の中に入りたかった

愛されて守られて家の中に大切に庇護される女でいるよりは対等にあの会話の中に入って戦地に行って最後まで一緒に戦いたかった
ずっと

ずっと


涙を浮かべる雪子に、「雪子が男だったら好きになれない」という青木。
「男じゃダメなの?たったそれだけでダメなの?恋愛対象にならないの?」
「あなたがそうなら彼の思いは永遠に届きそうにないわね」

意味をつかみかねている青木に雪子は苦笑する

「……どうしようもないわね……あなた達そんなに…」
「そんなに腹の立つくらい思いあってるっていうのに」


10巻 盗み見薪さん 秘密 トップ・シークレット


あの、ここなんですが、雪子さんの言い分が意味不明すぎて、婚約破棄のショックでおかしくなったのかと心配になったですよ!!

つよし君から離れたらなんでつよし君が無事になるんだ??と誰もがクエスチョンマークを飛ばしたことでしょう……

でも、これはあれですね。この後の青木くんのセリフを言わせるための前振りであって、おかしいことは神様(清水先生)も百も承知でしょう。
雪子さんは鈴木さんのときからずっと同じ思いをしていたということがこの後のセリフからうかがえます。

そして「腹がたつくらい思い合っている」のは青木くんと薪さんだけではなく、鈴木さんと薪さんもそうだったんだなって。(思いの種類はともかくですよ)
そして雪子さんは薪さんは恋愛感情を抱いていると思ってる(ますよね?)

(私が男だったら)それだけで恋愛対象にならないの?
と聞いているふうにしていますが
(つよし君が男っていうだけで)それだけで恋愛対象にならないの?

って言っていると思った方がその後のセリフがしっくりきます。

そして、鈴木さんを見つめる薪さんの目線!!

ずーーっとおもってたんですけど薪さんの鈴木/青木を見つめる目線がね、
恋する乙女
なんですよ……

手をみて、腕をみて、肩とかみて、顔をちらっと盗み見る……

これをと言わずになんと言おう!!!


ここだけじゃなくてこの「目線」がちょいちょい出てくるんですよね。それで、私の中では薪さんは鈴木さん/青木くんに恋してる説が確定したのですが……
え?気のせい?いやいや……
この場面は薪さんの恋心を(本編の中では)ものすごくハッキリ描いたシーンだと思います!

しかし、雪子さんの咬ませ犬感が半端なくて、ちょっと同情せずにはいられません。
それに、「愛されて守られて家の中に大切に庇護される女でいるよりは」って雪子さんだって十分一緒に戦ってると思うんですけどね。同じ仕事はしていなくても、監察医として。
やっぱりここでは女性への劣等感というか……ミソジニーをちょっと感じてしまうんですよね~


青木は捜査に集中していた。

薪に報告書をもっていこうとした際、岡部に「お前婚約解消したんだって?」と聞かれる。
雪子に手伝ってもらったほうが何かと良かったのでは、という岡部に、自分たちで立てるようにならなくてはいけないという青木。
そんな青木のために小池や曽我までが、何とかしたいと言い出し仕事を分担してくれていた。

薪に報告書を提出する青木に、滝沢は挑戦的な物言いをし、薪にはずいぶんと馴れ馴れしく接する。
「滝沢の言う事をいちいち真に受けるな」という薪に
「俺は 薪さんの話す言葉だけを信じてますから」と答える青木。
自分で言った言葉に少し照れて、回れ右をして立ち去ってしまった青木ーー

「ひどいな」
「オレは少なくとも嘘はついていない」
「青木に嘘をついて残酷な事をしているのは…むしろおまえの方だろう 薪」
「こんなに沢山コピーさせて 何の価値もない報告書を」と滝沢は報告書を破ってみせる。

しかし、青木はだんだん真実に近づいていた。ただその点と線を結ぶ点が足りない、という滝沢。

そのどこにもない答え。それを導き出すデータは
「お前の頭の中にしかないからな」
自分の頭に触れる滝沢の手にナイフを突きつける薪。

それは自殺で処理された石丸大臣が使用されたとされるダガーナイフだった。

「「チザンメール」軍の一派は特殊なナイフを使用して同じ切創をつけ「見せしめ」にするときく
グリップ部に4発の銃弾を装着できる銃にもなっている…使い方がよくわからないが…」という薪に、滝沢は銃弾を込め、その使い方を教えるーー

「これで多くの自国民の命を奪い 最後にこのダガーナイフでその体に「印」とつけ「見せしめ」とした」
「石丸大臣や「恵比寿夫婦惨殺事件」の遺体と同じように。おまえもその目で見た筈だ」



「今やレベル5で閲覧不可能となった あの事件でーー」

(続く)




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コメント

Secret

恋!

ありがとうございます!
いやー今日は無理かなーと何度もおもいつつ、なぜか更新しているという……
ちょっと仕事が忙しくなってきたので、いきなり休んだらごめんなさい。生きているのでご心配なく……!!

そうなんですよねーあのイラストにしたやつ、本当はモニターを見ていて、その下のコマでちらっと盗み見てるんですが、一緒にしてみました……。4巻の特別編にも同じようなのありましたよね(相手は青木くんでした)
あと、2巻や8巻のじーっと見ちゃうのもありましたね〜。

10巻の表紙、わかります!ガラスの破片に囲まれていてなぜこの表情!みたいな。
11巻の中カラーイラストもお腹がちらりと見えていて、いいですよね〜。お花に埋もれてて。
「あっち側」に行っちゃいますか!?戻ってきてくださいっ!(^^;)

毎日のように更新、お疲れさまです!
いやほんとに、読めて嬉しいです。
私ブックマークの中に「薪さん」フォルダがあって、毎日更新チェックするのが日課なもんで。

そしてこの辺り、薪さんの恋確定でしたよね~。もっと前からそうではあったけど、雪子の口を使ってはっきり言葉にされたとゆうか。
あとにゃんたろーさんの2枚目イラストのシーンで、薪さんは鈴木さんを好きでそれが今では青木なんだな、てのを感じます。

てかこの10巻表紙、すごい好きなんです。シチュエーション的には撃たれた後、なのにこの受け入れてる表情!と、シャツのボタンのすきまから覗く薪さんの肌!
見てると私、簡単に「あっち側」に行けます。
プロフィール

ねこじゃらしにゃんたろー

Author:ねこじゃらしにゃんたろー
こんにちは
にゃんたろーです!

清水玲子さんの「秘密」についてのレビューを書き散らかします。
ネタバレばかりです。要注意です。

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