秘密 トップ・シークレット 2010 END GAME (10巻) レビュー3

STORY
滝沢の目的は「あの事件」の「データ」だった。
これ以上の犠牲を出さないために、警察上層部の力を借りて動き出す薪。

薪は青木に垂らした細い蜘蛛の糸のような希望を、もう保てなくなってきていた……。


10巻 薪さんの微笑み 秘密 トップ・シークレット


射撃訓練をしながら事件に思いを巡らせる薪。

5年前
2057年11月に見た「あの事件」

もし今自分の脳を見たとしてもかなり粗い画でしか再現できないはずーー
「やつら」の目的は自分の脳ではなく、なんとしても手に入れたい、消去したいデータはあの……

そこに警察上層部らしき人物がやってくる。
「今こそ貴方のお力をお借りしたいのです」という薪。

「根っからの警察官である君がその魂である第九を離れ姿を消す事が出来るのか?」

「はい」
「もう第九は私がいなくても生き続けます」

むしろ、忌まわしい過去の事件や秘密とは切り離さなくては今後の第九の発展はあり得ない。
「今膿は出しておかなければ これ以上の犠牲が出る前に」


総監は薪さんに反感をいだいていて長官はちょっと味方なのか……な?味方ってほどでもないのかもしれませんが。


捜査会議でのいつも通りの薪のまっすぐな後姿をみて安心する青木。
ますます捜査に邁進する青木は「チザンメール」の処刑現場の画像にまで辿り着く。

「連続一家惨殺事件」も「マーダーケース」もチザンメールの処刑儀式をコピーしたものに過ぎなかったと。

さらに報告を続けようとする青木は滝沢から「そんなくだらないことに室長の時間をどれだけ使うんだ」と皮肉られる。
「よせ滝沢!」と怒鳴る薪だったが青木は引き下がってしまう。

そんな様子をみて第九メンバーは薪と滝沢の態度を不審に思う。

特に小池は古参の部下だからといって、薪に対するタメ口も、岡部や薪が遠慮して何も言わないでいることも気に食わない。
「何かこーガッカリだなー。少々性格悪くても部下や仕事に対してはもっと公正な人かと思ってたけどなー」と不満を口にする。
しかし、滝沢の件を知っている宇野は、おそらく薪がなんらかの方法で自分を守ってくれたことを思い出しーー
「あの人も一人で全部抱え込まないでもっと何でも話してくれたらいいんだけどな……」と呟くのだった。


小池さんらしい不平!
しかし、もし自分だったら「微に入り細に入りネチネチと薪さんの気が済むまでひと月もふた月も倍返しされ続けてますよ?」って、薪さんすごい粘着質……!!

あっ!?でも待って!青木くんをそんなに贔屓にしていること自体全然フェアじゃないんじゃないの!?
青木くんならいいの?小池さん!

「仕事でも岡部さんやオレ達をさしおいてずーっとベッタリ一緒だし!!」
って、薪さんと一緒に仕事がしたいのか……???

そして宇野さんの呟きは読者も全員同じ気持ちです!


滝沢の青木への態度に「どういうつもりだ」と怒りを露わにする薪。
「これ以上青木にからむな…!僕の部下には手を出すな」と必死に言う薪をみて薄ら笑いをうかべる滝沢。

「いいな そんなに必死になって守るべき者が出来て」
「あれから家族もいない仕事以外何も大切な物がない 親友の鈴木も失ったお前が今どんなにか淋しく虚しい日々を送っているのか楽しみにして帰って来たらどうだ…」
「第九の全国展開や将来有望な沢山の部下に信頼され囲まれ案外楽しそうで失望したよ」

「鈴木を殺したおまえが笑っていた」

薪から何を奪ったら一番傷つくのか、もう生きていたくないと思うほど。早く殺してくれと跪き哀願させるにはどうしたいいのか、じっくり観察したのだという滝沢。

「どうして…」と言葉に詰まる薪に

「どうしてお前に執着するのか?何だ忘れたのか」
「オレはあの 貝沼の脳を見たんだよ 薪」

「貝沼をあんな風に狂わせたのはおまえなんだろう?」
「つぐなうべきなんだ 違うか」

青ざめた薪の首に手を掛ける滝沢

「では殺せ」

「欲しいのは命じゃない」
「データだ レベル5 第九の室長であるおまえにしか持ち出せない」

薪の脳裏に「あの事件」で見た映像が蘇る

「そのためか」

薪の表情が一変する。
「おまえが4年前戸籍まで偽って第九に配属されてきたのはやはりそのためなのか……」
自分が首に手をかけ圧倒的に有利なはずなのに、その迫力に気圧される滝沢。


滝沢さんの「いやらしさ」極まれり。
「鈴木を殺したお前が笑っていた」なんてこんなに破壊的なセリフ他にあるでしょうか!?
このシーンは滝沢さんが(いろんな意味で)一番いやらしかったなあ〜〜〜!

10巻なんでもなくないだろ! 秘密 トップ・シークレット


「薪さん!」
報告書を手に入ってきた青木が見たのは薪の首に手をかけた滝沢だった。
滝沢を引き離し締め上げる青木だったが、工作員である滝沢に本来なら青木が勝てるはずがない。
滝沢の挑発にのって、滝沢の首を絞める青木を止めようと薪は青木に真実を告げる

「連続一家惨殺事件とお前の姉の事件とは何の関係もない」
「何も関係がないとわかっていたからお前に捜査させたんだ」

薪は、3月の時点で「連続一家惨殺事件」も「マーダーケース」もチザンメールとは何の関係もないことに気がついていた。
意味のない捜査だとしっていて、青木にその捜査を命じていたのだった。
真実を知って、呆然とする青木。

「どうして 何故」
「ご存知でしたよね?」
「オレがどんなに どんな想いでこの捜査にとり組んできたのか…あなたが一番 なのに何故」

腕をつかむ青木の手を振り払い
「都合がよかったんだ」

冷静な判断力を欠いた身内を捜査に加えられるはずがない。それくらいのことが言われないとまだわからないのか!という厳しい薪の言葉に、青木は薪の頬を叩き、その場から立ち去ったーー


ここは…………………
ここは、いいや。あとで山本さんが言いたかったこと言ってくれたから。


その夜
薪と岡部は飲みに行き、その帰りに「昼間はなぜ青木にあんなことを?嫌われたいんですか?」と問われるがそれには答えず眠る薪。

憎しみや恨みは生きている糧になる。
自分を恨んでいる間は青木は死なない。
自分を恨んでいた方が、ずっといい

薪は夢うつつのなかで、ずっと否定し閉じ込めてきた言葉をつぶやいた
その言葉は麻薬のような甘美な響きを持ち、幸せな気分をもたらしたーー


「青木に 殺されたい」

『あの真っ直ぐな魂をもつ男に殺されたい』
『鈴木もあの時 そう思っていたのだろうか あの夏』
『僕に合法的に殺されたい と』


第九の「レベル5」の機密データが紛失し、本部内手配で容疑者である薪に対し拳銃の使用を認める決定が下るのは この年のやはり夏、薪が鈴木を射殺してから3年目の事になるーー



もうここは涙なしでは読めないというか……
「青木に殺されたい」なんて……
だめえ〜〜!薪さん!っておもうものの、その幸せそうな微笑みに何も言えなくなっちゃうじゃないですかっ!
私の中では薪さんの微笑みNO1の美しい微笑みです……

鈴木さんは、本当にどんな気持ちで薪さんに殺されたがっていたのか……謎ですが……でも、きっと殺されるなら薪さんがよかったんだろうな……

それにしても、「月の子」を読み返していて思ったのですが(ふ……全巻電子書籍で買い直しましたよ……)清水先生の主人公は愛する人に殺してもらいたがりすぎじゃないですか?

そして、やはり想いを口に出してしまうと……もうダメなんですよ。閉じ込めておけない!でしょう!?薪さん!!
(ってこれはいま連載中のアレに向けて!)





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コメント

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Re: 美しい‥

>ぽっぽさん
コメントありがとうございます


>先日からコミックス片手にレビュー読ませてもらってます。
一人変な時期にハマってしまった今の私には溢れる想いをぶつける場所が無いもので‥レビュー読みながら一人きゃーきゃー言っております(変な人)
わかりますわかります!私もわりと変な時期にはまっちゃったので!

あの『青木に…』の微笑みは美しいですよね。
本当ににゃんたろー的にも美しさNo.1な微笑みです。

そして9巻から辛い!
お腹痛くなりそうなくらい辛いです(笑)
青木くんも薪さんも、辛くて辛くて……

そして薪さんは辛そうだと壮絶に美しいんですよね(^^;)
最近の薪さんはハツラツとしていて、あの壮絶さはなくて、嬉しいけどちょっとさみしい(笑)

美しい‥

こんにちは、先日は過去記事へのコメントにお返事ありがとうございます!
まさか気付いていただけるとは(T▽T)

先日からコミックス片手にレビュー読ませてもらってます。
一人変な時期にハマってしまった今の私には溢れる想いをぶつける場所が無いもので‥レビュー読みながら一人きゃーきゃー言っております(変な人)

私もあの『青木に殺されたい』薪さんの微笑みに心奪われて現在どっぷり浸かっております。
美しいですよね。
思わずスマホで撮影してしまい子供に呆れられたという‥
でもそのくらい美しい!
子持ちのおばちゃんまで狂わせてしまう薪さん‥罪なお人です。

しかし、9巻からは辛いですね(/ _ ; )
レビュー読んでても辛いです。
でも辛そうな薪さんも美しくて‥罪なお人です(笑)

Re: 今日もありがとうございます

青木に殺されたいはもうあまりに美しすぎて涙が……。

もう薪さんこの辺りちょっと変になっちゃってますよね。
あなたが味わった苦しみを青木くんにも味あわせちゃうの……??

「月の子」でも主人公が愛する人に殺されたがっているし、二番手っぽいポジションの人にも「愛するか殺すか」の2択を迫ったりするので……!!なんでしょう、あの願望。

サイレントとはいえ、好きだって言っちゃった薪さん。
きっとここの場面が下敷きにあるんじゃないですかねー!もう口にしちゃったら引き返せませんよねー!
覚悟してくだちゃい!

今日もありがとうございます

はふぅ。
この辺薪さん死にたがりすぎ( ;∀;)

てか私「月の子」読んでないんですけど、そうなんですか。
でもそうですよね。口にしたら自覚するとゆうか。はっきりとかたちを持って自分に返ってくるとゆうか。認めざるを得なくなるとゆうか。
もうダメです。覚悟してくだちゃい薪ちゃん。
プロフィール

ねこじゃらしにゃんたろー

Author:ねこじゃらしにゃんたろー
こんにちは
にゃんたろーです!

清水玲子さんの「秘密」についてのレビューを書き散らかします。
ネタバレばかりです。要注意です。

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