秘密 トップ・シークレット 2010 END GAME (11巻) レビュー3
STORY
もう「秘密」はばら撒かれ散っていってしまった。
もう戻らないーー
「お前も俺も生きては帰れない」と言う滝沢。
薪の命を狙うものが迫る。
銃声が響く。
薪のもとへ駆けつけた青木が見たものはーー

チザンメールの民主化リーダーの”ヒラル・アイが軍事政権に惨殺されていた”という事実は、もう覆らない。
世界中に広がっていった「秘密」ーー
「黒幕」は滝沢も薪も射殺するように命じる
「国家公務員法 守秘義務違反 不正アクセス禁止法違反 総ての責任を取るものが必要だ」
滝沢に殴り飛ばされ、床に転がる薪。
「どうせもうお前も俺も生きては帰れない」と銃を渡す滝沢。
「死ぬのはかまわないがおまえの醜い銃で撃たれるのは嫌だ」
死にたいなら自分で勝手に死ねと憎まれ口をたたく薪の鼻と口をふさぐ。
息ができず苦しむ薪の様子に、滝沢の脳裏に貝沼の姿がよぎる。
いったい自分は薪をどうしたいのか。
殺したいのか?
いやむしろ………
むしろ
滝沢は薪の髪を掴み、自分の方を向かせる。
「あの世にいったら鈴木に教えてやりな」
「3年前鈴木を殺したのはおまえじゃない」
「俺だ」
あの日。
鈴木がセキュリティを破って第九に侵入して、薪が鈴木を殺したあの日。
薪に狙ったところより上に銃弾がそれるよう細工した銃を渡したのだ。
足を狙った場合、胸元や喉元に当たるように。
「本当に正確なんだな。お前」
何故、と目を見開く薪
「何故?ジャマだったんだよ あいつ」
「人懐こい振りをして実は人一倍猜疑心が強くて人の事調べまわって……とうとうカニバリズム事件にまで首を突っ込んできた」
「しかも上官に「これは公開すべき映像だ」等と直訴しやがった」
その上官が、薪の命を狙う黒幕とも知らずに。
滝沢は鈴木を排除するよう命じられ、その細工を思いついたのだ。
大怪我くらいしてくれればいいと思ったのに、薪は一発で鈴木の心臓に命中させた。
「あの日はオレの中で何もかもがうまくいった生涯最高の日だった」
逆上した薪は滝沢に向けて自らの銃を撃つーー
周囲に3発の銃声が鳴り響く。
近くまで来ていた青木は、その音に施設内に駆けつけるがそこには「あの男」がーー
鈴木さんが射殺された原因がここで明らかになりました。
これが嘘か本当か、わからない風になっています(12巻)が、射撃の名手である薪さんが動揺していたとはいえ、心臓を誤って撃ってしまうのは確かにおかしいですよね。
かといって、細工したからといってそんなにうまく心臓に当たってしまうのも少し出来過ぎなのかなー。
鈴木さんを誰にも渡したくなかった薪さんがわざと……という説もありますが、私はこれはないと思う(といっても他の方の意見を否定するわけではありませんですよー。)
わざとだったらもうちょっと、薪さんの後悔の仕方が違うと思うのです……。ここでもこんな逆上しないと思うし。あとね、ジェネシスのときにあんなによくしてくれたひとを殺したりできる人ではないと思ったり……
うーん、ここの捉え方はひとそれぞれですね。
一応、素直に滝沢説を受け入れております。
それにしても鈴木さんもけっこう無茶をする!!
142ページの薪さんをめっちゃ心配してる鈴木さんカットの数々が涙を誘います。
「人懐こい振りをして実は人一倍猜疑心が強くて人の事調べまわって」はジェネシスでも澤村さんに薪さんの知らないところで揺さぶりをかけたりしてましたが、あんな感じで調べまわっていたのでしょうか。
ああ~~なんてことしちゃったの。鈴木さん!
時同じ頃、SATも建物を包囲していた。
突入し、対象を包囲したSAT
しかしそこにいた者はーー
愛知県警察の者であった。
そしてその警察官が投げてよこした携帯電話、それこそがSATが追いかけていた薪……
薪警視正の携帯電話だった。
愛知県警のヘリに完全包囲されるSAT。
その第九中部第四管区より500km北東に上がった仙台市 東北第二管区では……
3発の銃弾は、滝沢には当たっていなかった。
「何故撃たない」
「オレが憎いだろう 殺したいんだろう」
「オレはおまえの大切な鈴木を…」
「もう第九から殉職者は出さない」
「たとえどんな男でも」
怒りに震え青ざめながらも、「今は僕の部下だ 滝沢」「おまえにはまだ聞きたい事がある」という薪。
「オレはおまえの大切な鈴木を…」!!!
おまえの大切な鈴木を……
おまえの大切な鈴木を……(リピート)
「気をつけろ おまえのその甘さが」
そこに何者かの撃った銃弾がーー滝沢の喉元を貫く。薪の頬に返り血が飛び散る。
薪はさらに滝沢の心臓を貫いた弾丸の方向をみて、「あの男」ーー
石丸大臣を殺し、青木の姉夫婦を惨殺した実行犯の姿を認め迷わず銃を撃つ。
「あの脳は総ての…実行犯……総ての秘密の…あの脳を見れば」という滝沢。
しゃべるな、と傷口を押さえる薪の手をとり、自分の「脳」を打ち抜くよう懇願する
「出来ない」
「ダメだ 許されない」
「事件のことじゃない ただ見られたくない 汚されたくない絵がある」
俺だけの故郷 チザンメールの………
「たのむ」
「ダメだ!」
滝沢の願いを拒む薪。
絶命した滝沢を見て、薪は自らの頭を撃ち抜こうとする。
その脳裏には最後の鈴木の懇願が浮かぶ……
『たのむ薪 自分では撃てない』
『俺の頭を撃ってくれ この脳をおまえが』
『おまえが』
「もうダメだ 鈴木」
青木は「あの男」に殴られ、気を失っていた。
銃声を聞いて駆け込んできたものの、男に殴られたことを思い出す青木。
再びひとつの銃声が響きわたるーー。
薪の元にたどりついた青木が見たのは、滝沢の脳を撃った直後の薪の姿だった。
錯乱したかのような薪は青木に向かって発砲するが、弾丸は壁にめりこむ。
「薪さん…!」
薪は、滝沢の返り血を浴びた顔で泣いていた。
「青木」
「青木 僕を撃て その銃で」
「ここを」心臓を。
「ここを撃ってくれ おまえが 青木」
この目を この脳を
僕の体から今すぐえぐり出して見ろ
おまえが全部
事件の秘密も
「第九」の秘密も
僕の秘密も なにもかも
なにもかも
再び薪は青木に向かって銃の引き金をひくーーー

私滝沢さんの脳を破壊した理由がよくわからなかったんですけど、鈴木さんの脳が他人に見られてしまったことを、願いを叶えてあげられなかったことを後悔していたのかな……と思ったりして。だから鈴木さんの姿が重なって、滝沢さんの願いを聞き入れてしまったのでしょうか。
あと、故郷の汚されたくない絵は今の時点では見られないんじゃないかな……5年前までしか見れないから。死に際にそんなこと考えられないか。
あと、この巻を読んでて新しく気がついたことが。
貝沼は薪さんを憎くて愛しくて犯したかったと言ってましたが、一番は実は「殺されたかった」んじゃないかって。
それが滝沢さんにも鈴木さんにも伝染してしまったのかなと思ったりしました。
だから薪さんも?
(その割にいっさい影響が感じられない青木くんですが……)
鈴木さんがなぜ自分の脳を撃ってくれと言ったのか、ただ単に貝沼の脳に侵食されただけだったのか……
うーん、やっぱり鈴木さんには謎がおおいなあ。
死んでなかったら話にならないとはいえ、本当に惜しい人を亡くしました。
しかし前も書きましたが、薪さんは自分が味わった苦しみを青木くんにも背負わせる気なんですか。
それがある意味望みなんですか。
(…………………はっ、でもすぐ立ち直っちゃったらどうしよう!!青木くんすぐ立ち直っちゃうからな!)
そして、この「なにもかも なにもかも」でやっぱり薪さんは鈴木さんと青木くんが好きなんだなっていうのがわかりますよねー。雪子さんと鈴木さんの2人を見つめるのが人魚姫みたいで切ない(月の子読んだ影響かな……)
あ、ちなみにSATの取り囲んだ愛知と実際に薪さんたちがいった仙台、ミスリードするようにはっきりと描かれてませんでしたが、私わりと「地図の読める女」なので、雪子さんのとこで「仙台」って見てたんですよ。
そのあと「愛知」ってあれ?あれ?なんで?別のところってこと?と読み進めておりましたので、あのスキンヘッドの実行犯が愛知で指示されてたのに仙台に現れて、「あれあれ??」と混乱したりしました。
きっと途中でタッキーから連絡が入ったのね。で仙台に移動したんでしょう。そうでしょう。
次回は最終巻の12巻です!!!
もう「秘密」はばら撒かれ散っていってしまった。
もう戻らないーー
「お前も俺も生きては帰れない」と言う滝沢。
薪の命を狙うものが迫る。
銃声が響く。
薪のもとへ駆けつけた青木が見たものはーー

チザンメールの民主化リーダーの”ヒラル・アイが軍事政権に惨殺されていた”という事実は、もう覆らない。
世界中に広がっていった「秘密」ーー
「黒幕」は滝沢も薪も射殺するように命じる
「国家公務員法 守秘義務違反 不正アクセス禁止法違反 総ての責任を取るものが必要だ」
滝沢に殴り飛ばされ、床に転がる薪。
「どうせもうお前も俺も生きては帰れない」と銃を渡す滝沢。
「死ぬのはかまわないがおまえの醜い銃で撃たれるのは嫌だ」
死にたいなら自分で勝手に死ねと憎まれ口をたたく薪の鼻と口をふさぐ。
息ができず苦しむ薪の様子に、滝沢の脳裏に貝沼の姿がよぎる。
いったい自分は薪をどうしたいのか。
殺したいのか?
いやむしろ………
むしろ
滝沢は薪の髪を掴み、自分の方を向かせる。
「あの世にいったら鈴木に教えてやりな」
「3年前鈴木を殺したのはおまえじゃない」
「俺だ」
あの日。
鈴木がセキュリティを破って第九に侵入して、薪が鈴木を殺したあの日。
薪に狙ったところより上に銃弾がそれるよう細工した銃を渡したのだ。
足を狙った場合、胸元や喉元に当たるように。
「本当に正確なんだな。お前」
何故、と目を見開く薪
「何故?ジャマだったんだよ あいつ」
「人懐こい振りをして実は人一倍猜疑心が強くて人の事調べまわって……とうとうカニバリズム事件にまで首を突っ込んできた」
「しかも上官に「これは公開すべき映像だ」等と直訴しやがった」
その上官が、薪の命を狙う黒幕とも知らずに。
滝沢は鈴木を排除するよう命じられ、その細工を思いついたのだ。
大怪我くらいしてくれればいいと思ったのに、薪は一発で鈴木の心臓に命中させた。
「あの日はオレの中で何もかもがうまくいった生涯最高の日だった」
逆上した薪は滝沢に向けて自らの銃を撃つーー
周囲に3発の銃声が鳴り響く。
近くまで来ていた青木は、その音に施設内に駆けつけるがそこには「あの男」がーー
鈴木さんが射殺された原因がここで明らかになりました。
これが嘘か本当か、わからない風になっています(12巻)が、射撃の名手である薪さんが動揺していたとはいえ、心臓を誤って撃ってしまうのは確かにおかしいですよね。
かといって、細工したからといってそんなにうまく心臓に当たってしまうのも少し出来過ぎなのかなー。
鈴木さんを誰にも渡したくなかった薪さんがわざと……という説もありますが、私はこれはないと思う(といっても他の方の意見を否定するわけではありませんですよー。)
わざとだったらもうちょっと、薪さんの後悔の仕方が違うと思うのです……。ここでもこんな逆上しないと思うし。あとね、ジェネシスのときにあんなによくしてくれたひとを殺したりできる人ではないと思ったり……
うーん、ここの捉え方はひとそれぞれですね。
一応、素直に滝沢説を受け入れております。
それにしても鈴木さんもけっこう無茶をする!!
142ページの薪さんをめっちゃ心配してる鈴木さんカットの数々が涙を誘います。
「人懐こい振りをして実は人一倍猜疑心が強くて人の事調べまわって」はジェネシスでも澤村さんに薪さんの知らないところで揺さぶりをかけたりしてましたが、あんな感じで調べまわっていたのでしょうか。
ああ~~なんてことしちゃったの。鈴木さん!
時同じ頃、SATも建物を包囲していた。
突入し、対象を包囲したSAT
しかしそこにいた者はーー
愛知県警察の者であった。
そしてその警察官が投げてよこした携帯電話、それこそがSATが追いかけていた薪……
薪警視正の携帯電話だった。
愛知県警のヘリに完全包囲されるSAT。
その第九中部第四管区より500km北東に上がった仙台市 東北第二管区では……
3発の銃弾は、滝沢には当たっていなかった。
「何故撃たない」
「オレが憎いだろう 殺したいんだろう」
「オレはおまえの大切な鈴木を…」
「もう第九から殉職者は出さない」
「たとえどんな男でも」
怒りに震え青ざめながらも、「今は僕の部下だ 滝沢」「おまえにはまだ聞きたい事がある」という薪。
「オレはおまえの大切な鈴木を…」!!!
おまえの大切な鈴木を……
おまえの大切な鈴木を……(リピート)
「気をつけろ おまえのその甘さが」
そこに何者かの撃った銃弾がーー滝沢の喉元を貫く。薪の頬に返り血が飛び散る。
薪はさらに滝沢の心臓を貫いた弾丸の方向をみて、「あの男」ーー
石丸大臣を殺し、青木の姉夫婦を惨殺した実行犯の姿を認め迷わず銃を撃つ。
「あの脳は総ての…実行犯……総ての秘密の…あの脳を見れば」という滝沢。
しゃべるな、と傷口を押さえる薪の手をとり、自分の「脳」を打ち抜くよう懇願する
「出来ない」
「ダメだ 許されない」
「事件のことじゃない ただ見られたくない 汚されたくない絵がある」
俺だけの故郷 チザンメールの………
「たのむ」
「ダメだ!」
滝沢の願いを拒む薪。
絶命した滝沢を見て、薪は自らの頭を撃ち抜こうとする。
その脳裏には最後の鈴木の懇願が浮かぶ……
『たのむ薪 自分では撃てない』
『俺の頭を撃ってくれ この脳をおまえが』
『おまえが』
「もうダメだ 鈴木」
青木は「あの男」に殴られ、気を失っていた。
銃声を聞いて駆け込んできたものの、男に殴られたことを思い出す青木。
再びひとつの銃声が響きわたるーー。
薪の元にたどりついた青木が見たのは、滝沢の脳を撃った直後の薪の姿だった。
錯乱したかのような薪は青木に向かって発砲するが、弾丸は壁にめりこむ。
「薪さん…!」
薪は、滝沢の返り血を浴びた顔で泣いていた。
「青木」
「青木 僕を撃て その銃で」
「ここを」心臓を。
「ここを撃ってくれ おまえが 青木」
この目を この脳を
僕の体から今すぐえぐり出して見ろ
おまえが全部
事件の秘密も
「第九」の秘密も
僕の秘密も なにもかも
なにもかも
再び薪は青木に向かって銃の引き金をひくーーー

私滝沢さんの脳を破壊した理由がよくわからなかったんですけど、鈴木さんの脳が他人に見られてしまったことを、願いを叶えてあげられなかったことを後悔していたのかな……と思ったりして。だから鈴木さんの姿が重なって、滝沢さんの願いを聞き入れてしまったのでしょうか。
あと、故郷の汚されたくない絵は今の時点では見られないんじゃないかな……5年前までしか見れないから。死に際にそんなこと考えられないか。
あと、この巻を読んでて新しく気がついたことが。
貝沼は薪さんを憎くて愛しくて犯したかったと言ってましたが、一番は実は「殺されたかった」んじゃないかって。
それが滝沢さんにも鈴木さんにも伝染してしまったのかなと思ったりしました。
だから薪さんも?
(その割にいっさい影響が感じられない青木くんですが……)
鈴木さんがなぜ自分の脳を撃ってくれと言ったのか、ただ単に貝沼の脳に侵食されただけだったのか……
うーん、やっぱり鈴木さんには謎がおおいなあ。
死んでなかったら話にならないとはいえ、本当に惜しい人を亡くしました。
しかし前も書きましたが、薪さんは自分が味わった苦しみを青木くんにも背負わせる気なんですか。
それがある意味望みなんですか。
(…………………はっ、でもすぐ立ち直っちゃったらどうしよう!!青木くんすぐ立ち直っちゃうからな!)
そして、この「なにもかも なにもかも」でやっぱり薪さんは鈴木さんと青木くんが好きなんだなっていうのがわかりますよねー。雪子さんと鈴木さんの2人を見つめるのが人魚姫みたいで切ない(月の子読んだ影響かな……)
あ、ちなみにSATの取り囲んだ愛知と実際に薪さんたちがいった仙台、ミスリードするようにはっきりと描かれてませんでしたが、私わりと「地図の読める女」なので、雪子さんのとこで「仙台」って見てたんですよ。
そのあと「愛知」ってあれ?あれ?なんで?別のところってこと?と読み進めておりましたので、あのスキンヘッドの実行犯が愛知で指示されてたのに仙台に現れて、「あれあれ??」と混乱したりしました。
きっと途中でタッキーから連絡が入ったのね。で仙台に移動したんでしょう。そうでしょう。
次回は最終巻の12巻です!!!
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